『ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(KDJ)』を2年連続受賞した「アレクサンダー・プフィシュター(Alexander Pfister)」氏のインタビュー記事を「Geek Under Grace」さんで見つけました。

今回、記事を執筆されたDerek Thompsonさんにインタビュー記事の翻訳と公開の許可をいただきました。つたない和訳ではありますが、お読みいただければ幸いです。過去に和訳をした「Meeple Mountain」さんのインタビュー記事を読んでから読むと、より質問の意図などがわかりやすいかと思います。

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INTERVIEW: ALEXANDER PFISTER TALKS ISLE OF SKYE, BROOM SERVICE, AND MORE
by Derek Thompson on August 8, 2016
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はじめに

    ボードゲーム業界で最も有名な賞の1つがドイツ年間ゲーム大賞(SDJ: Spiel des Jahres, 以下SDJ)です。この賞を獲ることはゲームの販売数を何十万に引き上げ、ボードゲームデザイナーとして趣味ではなくフルタイムの仕事に近づくことを意味します。アレクサンダー・プフィシュターと彼の共同デザイナーであるアンドレアス・ペリカン氏は、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(KDJ: (Kennerspiel des Jahres, 以下KDJ)を2回受賞した最初のデザイナーとして歴史を作りました。その上、彼らは連続してKDJを獲得したのです!今回、アレクサンダー氏は2つの受賞したゲーム(『ブルームサービス(Broom Service)』と『スカイアイランド(Isle of Skye)』)と他にもたくさんあるゲームについて、私たちに話してくれました。それでは、お読みください!

経歴について

    あなたの経歴について簡単にお話しいただけますか?どのようなボードゲームが好きで育ったかやどのように趣味として熱中したのかなどについてです。

    Pfister (以下PF): 私は一人っ子なので、子供の頃に所有しているゲームを何度も遊んだことが理由だと思っています。ゲームをプレイすることとゲームをデザインすることは、相伴っています。

    ゲームは当時、とても高価なものでした。 私は、ゲームショップの棚でゲームを見て、どのようになっているのかについて想像しました。 そして、ゲームの模倣を試みました。

    私は、常に経済について興味を持っていました。 それゆえ、お金に関するゲームのデザインをすることに強く興味がありました。(なお、私は経済について学びました。) 10代の頃「アクワイア(Acquire)」をプレゼントとして貰い、このゲームを何度も何度も遊びました。 しかし、ルールが入っていなかったので私の独自のルールで遊んでいました。 私のバリアントでは、企業が定期収入を持っており、同様に株券を買うことができました。 彼らは配当金などを支払っていました。それは完全に元のゲームと違ったものでした。


    オーストリアのボードゲームシーンは他の国(特にドイツ)と比較するとどうなのでしょうか?

    PF: どちらの国もは極めて似ています。しかし、大きく異なる点が1点あります。それはメディア報道についてです。 ドイツでは、SDJについて新聞やテレビで自然に報道されます。私は、これは世界の中でも珍しいと考えています。

    オーストリアでは、ゲームはメディアにおいて大きなトピックでありません。 しかし、オーストリアの人々はドイツで遊ばれるのと同じゲームで遊んでいると思っています。

『ブルームサービス』と『スカイアイランド』について

    論文の共同作業では、書き上げるにあたって競争したり協力したりするため、少し厄介なことあります。 最初に『魔法にかかったみたい』を再構成して『ブルームサービス』に落とし込み、『スカイアイランド』で再びアンドレアス・ペリカン氏と共に仕事をしました。これはどのように決めたのですか? また、パートナーと仕事をするかどうかについていつ決めたのでしょうか?

    PH:他の誰かと共に仕事をすることは仕事のスピードを上げます。 『ブルームサービス』については、出版社が『魔法にかかったみたい』のボードゲーム版を作ることを望んでいました。アンドレアスは1人でそれを試していて、私はテストプレイヤーの1人でした。しかしながら、彼は行き詰ってしまっていたので、私が自分で試したものを彼に提案し、彼に伝えました。彼はそれを気に入ったので、私たちは協力してゲームを完成させました。 『スカイアイランド』については、アンドレアスは変化するスコアタイルをのアイデアを持ってきました。彼は、私にこのシステムに興味があるかどうかを尋ね、私はYesと答えました。 そして、私たちはチームとして継続しました。


    これら2つのゲームといえば、あなた達がKDJを2度そして連続して獲得した最初のデザイナーです。 SDJの式典を通してあなたの心を通してどのような心境でしたか?この受賞は、フルタイムでゲームデザインをすることにつながると思いますか?

    PF: そうですね。2回連続ですね。 受賞者が発表されたとき、このことについてとても誇りに思い、幸せを感じました。 フルタイムのゲームデザイナーになったら、どのくらいの時間をゲームデザインに使うかを決めることができますね。 今現在、私はゲームデザインに多くの時間を投資しています。しかしこれを「いつでも」に変えることができます。

    あなたは頭の中にゲームがあるとき、どの出版社に持っていくかをどのように決めているのですか? どのようにLookout Gamesとの密接な関係が始まったのですか?

    PF: フランツ・クレメンス(Klemens Franz)もオーストリアに住んでいて、私はよく彼に私のゲームデザインを見せていました。 彼は多くの出版社のイラストを手掛け、出版社に私のゲームを提案していました。 そのため、私のゲームデザインはLookout Games, Amigo, Eggertspieleなどから出ています。 『スカイアイランド』は他の出版社に見せた初めてのゲームでした。 あとから、Lookoutがテストプレイをし本当に望んでいるものにしました。 彼らは他の出版社が却下したとき、とても喜んでいました。


    『モンバサ』はより重量感のあるゲームにするよう出版社からリクエストがあり、調整したと聞きました。他の業界では、多くの場合に出版社やプロデューサーによる干渉から保護されています。 出版社の意見に合意したり出版社に意見するタイミングについてどのように知るのでしょうか?

    PH: 出版社は可能な限りベストなプロダクトを望んでいます。そのため、私たちは同じ立ち位置にいます。 ゲームをテストするのは編集者の仕事であり、フィードバックを行い、ターゲットグループに合うように調整するのです。 一度だけ、出版社を説得しなければならなかった場合ありました。そのゲームは2つの方向性を持っていたのでよい議論になりました。


    『ブルームサービス』と『スカイアイランド』の2つがKDJを受賞したにも関わらず、『モンバサ』はボードゲームギークで最も高い評価のついたゲームです。 どちらがより重要ですか? もし10個の賞を1つのゲームが受賞するのと、受賞することなしにBoard Game Geek(BGG)で1位に格付けされるのと、どちらが嬉しいですか?

    PH: Board Game Geekは素晴らしいです! しかしながら、それはゲーマーの一部で構成されており、その多くがヘビーゲーマーです。最も成功したゲームの1つが『カタン』です。 私がこのゲームをデザインしたかったと望むくらいです。 世界中のファンはとても多くいるのにBGG上では205位です。 BGGでは重量級ゲームに強いバイアスがかかっており、相対的に少数グループのゲームが相対的に高い評価につなっています。 一方で、賞もまた少数グループによって与えられるものです。 私にとって重要なのは私のゲームのターゲットグループの受け入れてもらうことです。 私は重いゲームだけでなく、非常に軽いゲームを作り続けるでしょう。そして、私の軽いゲームは常にBGG上では低評価になるであろうことがわかっています。

新作ゲームについて

    『スカイアイランド』の拡張がどのようなゲームデザインとして発表するかについて決まっているのでしょうか?旅と契約の要素等が追加されると聞いています。

    PH: 拡張は、おそらく2017年にリリースされます。そのため、まだいくつかの変更があるかもしれません。全体としては、プレイ時間と複雑さはあまり増えません。私はこれが『スカイアイランド』の強みだと思っています。


    『ポートロイヤル』がいつアメリカの多くの場所で発売されるかご存知ですか?(それは素晴らしいゲームです!) また、どのように拡張の協力ゲームバリアントのシステムが機能するかについて少し教えていただけますか?


    PH: すみません。『ポートロイヤル』が、いつ発売かについてはわからないです。

    【拡張について】
    お互いに敵対する場合、4つの契約が用意されます。全プレイヤーは3つのマーカーを持っており、1/2/3の契約を達成する場合は、0/1/3のVPを獲得します。すべての契約は、即座にお金を獲得できるため、大きな後押しとなります。

    協力プレイをする場合、契約の数はプレイヤー数に応じて変わります。少なくとも1人のプレイヤーによってすべての契約が達成された場合、そのグループが勝ちます。

    ゲームのプレイ感は完全に異なっています。プレイヤーは1金と船を取り、どの契約を行いたいか話し合う等です。しかし一方で、カードをひっくり返すのと同じ緊張が依然として存在します。契約は非常に異なっています。たとえば、税金を払う、各色の船を撃退する、2回トレードを行うなどです。

    アメリカで近日発売の他のゲームは、『ブルームサービス:カードゲーム』です。『魔法にかかったみたい』もしくは『ブルームサービス』から変わった点はどこなのでしょうか?これら3つのなかでお気に入りはありますか?

    PF: 『ブルームサービス:カードゲーム』は、「勇敢」と「臆病」のメカニックにのみに焦点を当てており15分ですぐに終わります。このゲームを持っていれば、15分の時間が残った時やカジュアルゲーマーと遊べます。時間が十分にある場合には、より深みのあるボードゲーム版の『ブルームサービス』を選びます。しかし、夜のゲームの終わりにはこのカードゲームは最適です。これは、『6ニムト!』や『ラブレター』のような偉大なゲームと並ぶ選択肢の1つだと思います。

    『ブルームサービス』には、いくつかの得点方法があります。あなたのゲームをプレイする際のお気に入りの方法を教えて下さい。 

    PH: 勝利点に追加の方法を与えるように、お守りをいつも使用します。初心者は特に移動する場所の目標を持っています。私はまた、特別な雲が好きです。特別な雲は長期的な戦略を与えます。これらが私のお気に入りです。


    Geeks Under Graceは、信仰ベースのウェブサイトです。信仰や世界観は、プレイヤーがボードゲームを手に取るのに影響すると思いますか、それともゲームデザイナーがゲームデザインをする際の1つの方法になりますか?

    PH: ゲームがどこで生まれたかによるとは思いますが、私はこの質問はゲームのテーマに置き換えることができると思います。これは個人の信念によると考えています。私は信仰心が強いですが、ゲームをプレイするときにゲームのテーマは多く場合に気になりません。


    あなたが最近楽しんでいるものはなんですか?(読書, 観戦, 遊びなど)

    PH: テニスをプレイする、Arrowを見る、ブログ/レビュー/BoardGameGeekを読む、ポッドキャストを聴く、私の家族と一緒にプールを訪る、などです。


    他に何かありますでしょうか?

    PH: 2-3ヶ月の間に、次の大きなタイトルの『グレート・ウェスタン・トレイル(Great Western Trail)』がリリースされます。これは、アメリカとヨーロッパで同時に発売されます。『グレート・ウェスタン・トレイル』では、プレイヤーはカンザスシティで放牧牛を家畜生産しています。アメリカの主要都市に鉄道で牛を出荷します。プレイヤーはまた、カウボーイ・職人・エンジニアを雇ったり、インディアンと貿易したり家や鉄道を建てたりします。

    そして『オー・マイ・グーッズ!』の拡張を発表します。
    トウモロコシ畑が反逆者によって焼き払われ、ちょうどそこに首都での飢饉の危機が迫ってきます。プレイヤーは、その危機を救うために食料を生産する必要があります。 今回は、物語の全5章のうち第1章になります。物語に興味がなければスキップして、各章を遊ぶことができます。(補足: 5つの拡張が予定されており、近く第1弾の拡張 "Longsdale in Revolt"が予定されています。) また、これらの拡張には新しい建物カードが入っています。


    アレクサンダーさんインタビューありがとうございました!
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