【インタビュー】OKAZU brand・林尚志氏(後編:日本のボードゲームシーン、ルールライティングについて)

【インタビュー】Okazu Brand/林尚志氏 その1

OKAZU brandのデザイナー林尚氏インタビューの第3回。内容は、2017年10月にインタビューした内容となっております。

前編・中編


日本の現在のボードゲームシーンについて

ニコ
ニコ

日本のボードゲームシーンについて思ってらっしゃることはありますか?

林

最近、ボードゲームがかなり一般化していて、そこは良い点だなと思っています。沢山の人が入ってきていて趣味が「ボードゲームです」と言っても通じる位になったと思っています。

特に学生さんなんかは良く知っています。一方で、市場大きくなりピラミッドが大きくなって下も増えたし上の高さもすごいことになっていると思っています。

ニコ
ニコ
イエローサブマリンさんの売上ランキングを見ると上位に『ハコオンナ』、『犯人は踊る』、『桜降る代に決闘を』は売れ続けていますね。

中でも『桜降る代に決闘を』は、イベント・WEBサイト構築・限定プロモ配布などを積極的に行ってトレーディングカードゲームが好きな層をがっつり取り込んでいるように見えます。

 

林

『ハコオンナ』の場合に関しては、EJIN研究所の江神号さんがショップさんでのイベント営業頑張ってらっしゃったので、それが結びついたのだと思っています。

 

ニコ
ニコ

そういえば、NHKワールドの特集でカナイさんと江神号さんと御三方で出てられていましたよね。黒背景に腕を組んでらっしゃる感じがTVチャンピオンみたいでかっこよかったです!

 

林

急にスタジオ行ってあれやってくださいと言われました(笑)。実は、最初は時刻表を持ってめくってくれと言われたんですよ。

 

ニコ
ニコ

え~!そんなシーンありましたっけ?

 

 

林

最終的になくなったんです。時刻表見てぺらぺらめくっているシーンが欲しいといわれて。

実際とってみたら、ペラペラめくるのは、あまり動きがないといわれてボツになりました。

ニコ
ニコ

 

そんな裏話があったのですね。ただ、最初からある程度想像できたのでは…(笑)

 

 

林

視聴率が良いとパックンさんとホラン千秋さんがやっている番組「Doki Doki! ワールドTV」の方に出るということになっています。

好評だったと担当の方から連絡があり、中国語版とポルトガル版を作りたいんだけれど良いかとありました。

 

ニコ
ニコ

 

反響はいかがでしたか?

 

林

 

結構な人が観ましたよと言ってくれましたね。

 

全国のボードゲームイベントについて

ニコ
ニコ

 

OKAZU Brandさんは、全国のボードゲームイベントがあって積極的に参加されていますね。

 

林

 

旅行ついでに行きたいかなという感じです。

 

ニコ
ニコ

イベントに行くと交通費や出展料などがかかってしまいますが、そこを鑑みても出るべきという判断なのでしょうか?

林
正直な話、ペイするかというとしませんね。なので、OKAZU Brandのゲームを色々な方に知ってもらうというところに重きを置いています。

あとは、旅行に行って美味しいものを食べると。

ニコ
ニコ

なるほど。認知してもらうというのは、消費行動で一番大事ですからね。

林

特に「来てくれてありがとう」と言ってもらえると嬉しくなりますね

ニコ
ニコ

実際に行ってみて感じたことはありますか?


林

 

2017年は、名古屋(ファミリーボードゲームフェスティバル)と金沢(金沢ボードゲームマーケット)に行ったのですが、それぞれ違う盛り上がり方をしていました。

名古屋はファミリーの方が多かったです。金沢は、北陸代表という感じです。

 

ニコ
ニコ

 

金沢ボードゲームマーケットは、金沢駅の建物内で行われたイベントですよね。

 

林

 

そうです。なので、一般の方も多く覗いてくれていました。

 

ニコ
ニコ

 

イベントのコンセプトによって客層も大きくことなるということですね。

 

ルールライティングについて

 

ニコ
ニコ

ゲムマ秋はどのようなご予定ですか?

 

林

軽いのと重いのを出す予定です。(補足:『かうんとり』と『ねずみ海賊ラッタニア』が発売になりました。)

 

 

ニコ
ニコ

なるほど。入稿はおわりましたか?

 

 

林

まだです。ヒーヒー言いながらやってます。あとは説明書だけです。

 

ニコ
ニコ

説明書はいちばん神経つかいますよね。ゲームが出てしまったら、それしか頼りにならないですから。

 

 

林

そうですね。きちんと仕上げても、遊ぶ方が前にやったゲームと勝手に勘違いされてしまって正しく遊ばれない場合なんかがあるんですよね。

 

ニコ
ニコ

そんなケースがあるのですね。さんざんテストプレイして、知らない人がわかる文章を書くというのは難しいですよね。第三者の方にフラットに観てもらうというのは大事ですよね。そして、表記揺れ、用語の説明、意味が通じるかなどチェックするところが多いと思っています。

 

林

英語は同じフレーズを繰り返し使えるんですけど、日本語は同じ表現をつかうとくどいと言われる。でも言っておかないと言葉が足りないといわれる日本語がこういう説明に向いていないなと。

 

 

ニコ
ニコ

てにをはとか単語の並べ方も難しいですよね。主語と述語の位置関係とか。

 

林

日本語は主語を省略するので、「私は」「私は」が続くとくどく、省くと異なる主語で捉えられてしまうという・・・

 

 

ニコ
ニコ

そういうことですね。ルールライティングは大変ですね。

 

林

英語のほうがそういうのが向いているんですよね

前にブルーノ・フェドゥッティ氏がブログで書いていたのですが、フランス語もルールライティングには向かないらしいです。

抒情詩を書くにはフランス語はとても向いているのだけど、説明するには全く向いていない。英語がいいそうです。

それも向いているのは、アメリカ英語です。イギリス英語は、アメリカ英語で1種類の単語を4種類位の意味を持っていることもあるので。

 

ニコ
ニコ

それは知りませんでした。英語は汎用性が高いのですね。

 

ブルーノ・フェドゥッティ氏の記事はこちら↓

今後の予定

ニコ
ニコ

 

今後の予定はいかがですか?

 

 

林

テストプレイしていて未発表のゲームが2つあるのでそれを出すもしくは、そろそろ重量級のゲームも作りたいんですよね。
あーと、アークライトさんから『AZUCHI』という日本の城を作るゲームが出ます。

これは重ゲーです。2018年発売だと思います。

 

ニコ
ニコ

そうなのですね。とても楽しみです! 

マイ・ベストゲーム

 

ニコ
ニコ

最後に林さんのマイ・ベストゲームを教えてください。

 

Okazu Brand:林尚志

 

林

デザイナーとしては『チグリス・ユーフラテス』が好きですね。プレイヤーとしては『18xx』です。

『チグリス・ユーフラテス』は私の固定観念を変えてくれたゲームです。

当時のゲームは、お金や勝利点を稼ぐゲームが多かったのですが、『チグリス・ユーフラテス』は4種類の勝利点を稼ぎ、その最低値で勝敗を決める。また、『チグリス・ユーフラテス』には国の概念があります。

当時のゲームで国というとプレイヤーが1つの国を担当するゲームが多かったのです。しかし、『チグリス・ユーフラテス』では、国はプレイヤー固定ではなく、大臣を置いたらそこがプレイヤーの国になります。その辺が私にとっては新しい概念でした。

 

林

『18XX』はただただ好きですね。まず私は鉄道ゲームが好きです。

それと、プレイヤーが1会社を担当するわけではなく、会社ごとに筆頭株主が会社を運営する。しかし、恩恵は複数の株主に及ぶ部分が面白いですね。また、長く続いているシリーズで累計で100種以上の『18XX』が出ていて、その違いを見るのが楽しみですね。

 

ニコ
ニコ

本日はお忙しい中ありがとうございました。

 

林

ありがとうございました。

 

おわりに

OKAZU brandデザイナー・林尚志氏 へのインタビューをお送りしました。3回にわけて更新しましたがいかがでしたでしょうか。

大変いろいろ勉強になるインタビューになったと個人的に思っています。改めてインタビューに快諾してくださった林さんに感謝致します。