【インタビュー】OKAZU brand・林尚志氏(前編)

【インタビュー】Okazu Brand/林尚志氏 その1

今回は、OKAZU brandのデザイナー林尚氏にインタビューをしてきた内容を記事にしました。内容は、2017年10月にインタビューした内容となっております。

音声書き起こしに足踏みしてしまい、公開に半年を要してしまいました。初めてのインタビューとなっており深掘りしきれていない部分もありますが、お読みいただければ幸いです。

また、約1万文字近い内容になっているため3回にわけて公開したいと思います。それではどうぞ。

 

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よこはまのボードゲーム屋さんリゴレ様でのお仕事について

ニコ
ニコ

本日はよこはまのボードゲーム屋さんリゴレ様にお邪魔し、OKAZU brandゲームデザイナーの林尚志さんにインタビューをさせていただきます。どうぞよろしくおねがい致します。

林

よろしくお願いします。

 

ニコ
ニコ

毎週金曜日をよこはまのボードゲーム屋さんリゴレ様で働いていらっしゃるかとおもいます。来るときは、イラスト担当で奥様であるにゃもさんと一緒にいらっしゃってるのですか?(インタビュー当日は、お隣の卓にいらっしゃりました)

 

林

そうですね。大体中華街で昼ごはんを開拓してから来ています。僕は最後までいて、にゃもさんは少し早めに帰っています。時間としては、午後の2~3時くらいからお店にいます。

ニコ
ニコ

始めて1ヶ月位になるかと思いますがいかがでしょうか?実際にゲームデザインに関する相談などもありますか?

林

ゲームデザインの相談はありますね。あと、夜に店長とやりたいゲームをやったりしています。

リゴレさんに伺った際の記事はこちら↓http://nicobodo.com/archives/24971504.html

専業ゲームデザイナーになったきっかけは
『トレインズ』と『レイルウェイズ・オブ・ニッポン』

ニコ
ニコ

いつから専業デザイナーになられたのでしょうか?

林

3年前(2014年)ですね。丁度『トレインズ(Trains)』がアメリカでオリジンズ賞2017の大賞をとったときに決心しました。

また、海外のお客さんからのゲームデザイン依頼が2つくらいあり、兼業でまわすのは無理だなと判断して専業になりました。

『トレインズ』:デッキ構築型のゲームで、マップ上に線路や駅を建てていくゲーム。オリジンズ賞2014の大賞を受賞。
ニコ
ニコ

2つの頼まれた仕事というのはどんなものだったのですか?

林

1つはポシャってしまったのですが、もう1つは『レイルウエィズ・オブ・ニッポン (Railways of Nippon)』です。

『レイルウェイズ・オブ・ニッポン』は、マーティン・ワレス氏の代表作『蒸気の時代』のリメイク作『Railways of the World』の日本版マップ。『Railways of the World series』として、様々なマップが展開されている。

『レイルウェイズ・オブ・ニッポン』は、『Railways of the World』の作者であるグレン・ドローバー氏、マーティン・ワレス氏と林尚志氏の3名が作者となっている。

日本語版が2018年5月17日にアークライトから発売予定。
ニコ
ニコ

発表されたのは最近(2017年1月にKickstarter開始)であると記憶していますが、そんなに昔に話しがあった企画なのですね。

林

そうなんです。結構ボードゲームの開発ってスパンが長いので。

ニコ
ニコ

具体的に各工程はどのくらいの期間かかっているのですか?

 

林

私の方で行った作業は調査2か月、デザインと調整に6か月ぐらいになります。その後、出版社に渡したのですが、そこから出版されるまでに結構時間がかかりました。

 

発売時期が後ろにずれる場合があり、アメリカでは本当はこの時期出す予定だったけど、急にものすごい良いゲームが出たりするとそっちを優先して、遅らせたりすることがあります。

 

レイルウェイズ・オブ・ニッポン
▲レイルウェイズ・オブ・ニッポン:プレイ風景
(引用:Board Game Geek
ニコ
ニコ

マーティン・ワレス氏との共作になりますが、御本人とのやりとりなどはあったのですか?

林

残念ながら無いですね。ワレスさんは『Railways of the World』の基本コンセプトのみで、それぞれの拡張は別々のデザイナーがデザインしているようです。

ニコ
ニコ

全ての調整は林さんがおこなわれたのですか?それともある程度作ったあとに出版社側でデベロップが行われたのですか?

林

後者ですね。最初は、こちらでプロトタイプとテストプレイを繰り返しました。こちらでそのまま販売しても大丈夫だと思ったものを、出版社に渡しました。その後、出版社側でも調整が入った感じです。

ニコ
ニコ

なるほど。そのようになっているのですね。

専業ゲームデザイナーであることについて

ニコ
ニコ

専業ゲームデザイナーになっていかがですか?兼業よりもいいことなどはありますか?

林

なんでも自分で決められるのはいいですね。責任は全て自分ですし。

ニコ
ニコ

後ろ盾がなく、収入が減るリスクなどへの不安はありましたか?

林

不安は常にあります。業界が縮小してしまったら終わってしまうので。

 

ニコ
ニコ

世界的にはマーケットが大きくなっているはいえ、常に不安と戦いながらゲームを作ってらっしゃるということですね。

他に意識されているこることなどは何かありますか?

Saashiさんとの対談本『創造的な習慣』では、同じタイプのゲームを作らないようにしているというのを拝見しました。

 

創造的な習慣
(引用:『創造的な習慣』林 尚志 前篇|saashiandsaashi|note

『創造的な習慣』:Saashi&Saashiさんが刊行しているゲームデザイナーへのインタビュー本。記事執筆時点で3冊がリリースされています。ゲームマーケットで本を購入できる他、noteでも購入することができる。

 

林

そうですね。同じタイプのゲームを作っていると飽きてしまうので。

あと、他のボードゲームがどのような構成になっているかを気にしています。そのため、専業になってからの方がゲームを遊ぶ際に、ゲームバランスや見せ方など見るポイントが増えました。

 

ニコ
ニコ

なるほど。遊びつつもゲームを俯瞰して見てらっしゃるということですね。

今までリリースした作品について

ニコ
ニコ

今までかなりの数のゲームをリリースされていますが、現在いくつですか?

林

正確に数えていませんが、30個位だと思います。

ニコ
ニコ

ゲームはどの位の頻度で製作されているのですか?

林

目標は年6個ですが、現状4個位ですね。

ニコ
ニコ

最も売れたゲームタイトルを教えて頂けますか?

林

全世界だと『ローリングアメリカ』(日本ではローリングワールドとして発売)です。

『ローリングワールド』:サイコロの目を対応した色のマスを埋めるマークシート型のゲーム。
ニコ
ニコ
アメリカに行った際にスーパーマーケットの「TARGET」に置いてあるのをみました。

 

ローリングアメリカ

アメリカ・サンブルーノの巨大百貨店『TARGET Tanforan』
「サン・ブルーノ(San Bruno Station)」にある「The Shops at Tanforan」というショッピングモール内にある巨大百貨店『TARGET』の紹介になります。

 

林

GAME WRIGHTさん(※『ローリングアメリカ』の発売元)はホビーではなく、おもちゃ屋さんやスーパーに置いているので数が出たのではと考えています。

 

ニコ
ニコ

私の事前予想では、先程話しに出た『トレインズ(TRAINS)』かと思っていました。

林

そっちは大箱ですからね(笑)

ニコ
ニコ

なるほど。やはり数が出るのは小箱なのですね。

海外での販売状況は随時入ってくるのですか?

林

時々送られてくるレポートで状況を把握しています。

TRAINS
▲トレインズ:プレイ風景

(引用:Board Game Geek

ニコ
ニコ

最も沢山の国から出たゲームを教えて下さい。

林

国というよりは言語別になりますが、『トレインズ(TRAINS)』です。英語、ドイツ語、中国語、スペイン語、ロシア語の6ヶ国語です。

ニコ
ニコ

なるほど。ということは、遊ばれている国はこの数より多いということですね。

『横濱紳商伝』の各国ゲーム賞ノミネートについて

ニコ
ニコ
2017年は、様々なゲーマ―ズ賞の上位に『横濱紳商伝』がランクインしました。

『横濱紳商伝』はランダムマップ生成であっちいったり楽しいゲームでした。支持されている理由はどうお考えでしょうか?

『横濱紳商伝』:毎回配置の変わる明治の横濱の街を舞台に商人となって商売を成功させ名声を得る重量級ゲーム。TMG版は、Kickstarterで約5000万円の出資を集めました。
林

何度でも楽しめるところかなと思っています。

ニコ
ニコ

その点を意識してつくられたのですか?

林

そうですね。あと勝ち方が何通りかある所でしょうか。

ニコ
ニコ

得点手段がいくつかあるなかで、リプレイ性のあるランダムマップの調整は大変ですか?

林

大変でした。偏った配置なども、結構試しました。

ニコ
ニコ

組み合わせとしては、何百通りかありますよね。シミュレーションなどはされるのですか?

林

1人でのテストプレイはせず、対面で繰り返しテストプレイをしました。

ニコ
ニコ

なるほど。それはかなりの数のテストプレイをされたのですね。最終的には、いくつの賞を受賞したのでしょうか?

林

ベルギーのゲーマーズ賞を受賞したと記憶しています。あとは様々な賞にノミネートされました。ポルトガル年間ゲーム大賞、ミープルチョイス賞、国際ゲーマーズ賞 などでしょうか。

横濱紳商伝
▲横濱紳商伝:プレイ風景
(引用:Board Game Geek

ニコ
ニコ

『横濱紳商伝』は再び日本で展開される予定などはありますか?

林

今後別のところから出る可能性がありますが、OKAZU Brand版はでません。

ニコ
ニコ

『横濱紳商伝』を買い逃した方も沢山いらっしゃると思うので、発売されるのを期待しております。

おわりに

今回は、OKAZU brandデザイナー・林尚志氏 へのインタビューをお送りしました。次回、海外出版社からのゲーム出版に至る流れや、テストプレイなんかも。乞うご期待!