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ゲーム紹介『グラバー (Glover)』

グラバー (Glover):カバーアート

ゲーム名 グラバー (Glover)
デザイナー 赤瀬よぐ
人数 3~5人
時間 60分
年齢 10歳~
メーカー New Games Order

長崎商人として交易品交換を行う交渉ゲーム

グラバー:ゲーム概要

『グラバー』は、幕末の長崎で商人となり交易品を交換する交渉ゲームです。入手した資源をスコットランド出身の商人・グラバー氏の所有する、様々な施設や武器などと交換します。

ゲームデザインコンテスト『第2回東京ドイツゲーム賞』の大賞を受賞した作品となっています。デザイナーの赤瀬よぐ氏は、Table Game in the Wolrdで連載中のボードゲーム4コマ漫画『ボドゲde遊ぶよ!!』の作者としても知られています。

勝利条件

ゲーム終了時、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。

終了条件

所定のラウンドが終了すると、ゲームが終了します。

ゲームの準備

グラバー:ゲームの準備

ゲームボードを中央に置き、ゲームで使用する施設タイルなどを配置します。

グラバー:ゲームの準備

各プレイヤーに「工作所」「事業所」「商人コマ」を配ります。

「工作所」は自分のプレイヤーカラーの交易品を2個生産します。

手番でやること

手番は、「1.生産フェイズ」「2.交渉フェイズ」「3.グラバーフェイズ」の3つのフェイズで構成されており、フェイズ毎に手番を行います。「1.生産フェイズ」と「3.グラバーフェイズ」は全プレイヤー同時解決。「2.交渉フェイズ」はスタートプレイヤーから順に手番を行います。

1.生産フェイズ

グラバー:手番でやること

プレイヤー個人が所有する「本店タイル(工作所/大工作所」と共通ボードにコマを配置済みの「施設タイル」から交易品コマを獲得します。

獲得した交易品コマはついたての裏に隠します。

2.交渉フェイズ

交渉フェイズは、3つのステップを順に行います。

ステップ1:交渉カードの選択

共通の場から「交渉カード」を3枚引き、そのうち1枚を選びます。(選ばれなかった1枚は捨て札に、もう1枚は山札に戻ります。)

ステップ2:資源の選択

手番プレイヤーは、自分のついたてから交換したい交易品コマを提示します。他プレイヤーは、交換したい交易品コマを提示します。

ステップ3:商談

全プレイヤーが交易品コマを出し終わったら、手番プレイヤーが交渉をするプレイヤーを選んで資源の交換をします。まず、交渉相手は手番プレイヤーの色のキューブを獲得。その後の、詳細処理は「交渉カード」に示された通りに行います。

交渉カード

グラバー:交渉フェイズ

交渉カードは全6種類。それぞれ以下の通り。グラバー氏の信頼度に加え、渡す交易品・貰う交易品の量が変化します。

  • 誠実:そのまま交換
  • 優良品:信頼度+1、渡す交易品+1
  • 謙虚:信頼度+2、貰う交易品−1
  • 粗悪品:信頼度−1、渡す交易品−1
  • 不正入手:信頼度−2、貰う交易品×2
  • 完全詐欺:信頼度−3、渡す交易品なし

3.グラバーフェイズ

手持ち交易品と、グラバー氏の所有する施設や武器などと交換を行います。

本店のアップグレード

手元にある2枚の本店タイルをアップグレードします。これにより、交易品の生産数の向上やとグラバーフェイズでのグラバー氏の信頼度アップの効果を得れます。

施設

グラバー:施設

共通ボード上の施設タイルにワーカー駒を配置します。

タイルの左上に書かれているコストは、交易品の種類数を表しています。「3」と書かれていれば3色のキューブを支払うことで施設へワーカー駒を配置することができます。

交易品

グラバー:交易品

「艦船」「大砲」「小銃」を獲得します。これは勝利点になり、グラバー氏との信頼度によって購入できるものが決まります。

協力者カード

グラバー:協力者カード

ラウンド開始時、「協力者カード」が1枚めくられそのラウンド限定の効果が発動します。

これによって、ある条件で追加勝利点を入手したり追加の交易品コマを獲得したりします。

実際に遊んでみて

交易品の交渉が思い通りに行かない楽しさのある交渉ゲームでした。初回は5人でプレイしたのですが、プレイヤーによってキューブの生産数が違うため供給がすくないことによって需要が上がって希少性から価値の高まる交易品が出てくる点が面白いなと思いました。

更に、交渉フェイズにおける交渉ではカードに書かれた通りグラバーさんの信頼度が上下するのですが他プレイヤーへの信頼度も見えないながらも影響しており、繰り返し黒いカードを使ったプレイヤーには他プレイヤーも良い条件を出さないような流れができたりして盤面上には見えない状況の変化がありました。

グラバー:実際に遊んでみて

1手目の交渉でスタートプレイヤーに「粗悪品」による搾取にあい、非常に序盤辛い展開が続きました。多色をそろえたくて交渉をするものの、後半になると自分の中では揃ってしまっていて良い条件を出せないケースも。

どんどん交換をした方がキューブの数は増えるのですが、今度は色が揃わなくなって後のグラバーフェイズがままならないというジレンマを抱えています。本当に遊びごたえのあるゲームでした。

施設タイルの組み合わせと協力者カードの出方が毎回変わるので、繰り返し遊んでも毎回違った展開が楽しめそうです。様々なプレイ人数&施設タイルの組み合わせで遊びたいところ。

おわりに

第2回東京ドイツゲーム大賞受賞の交渉ゲーム『グラバー』をご紹介しました。

交渉ゲームが苦手な方も楽しめる、なおかつリプレイ性のあるミドル級ゲームです。もちろん、交渉ゲーム好きな方も是非プレイしてみてはいかがでしょう。