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アントワーヌ・ボウザ氏『(Game design is all about…) …PLAYTESTING』

2017-05-14-13-00-08

5/14に開催された『ゲームマーケット2017春』内のイベント「ボードゲームライトニングトーク大会」のうちの1つ『 (Game design is all about…)
…PLAYTESTING』を聴いてきたので、どんな感じだったかをざっくり紹介ようと思います。

「ボードゲームライトニングトーク大会」について

『ゲームマーケット2017春』の「ボードゲームライトニングトーク大会」ブースで行われたイベントです。

様々な登壇者が、ボードゲームについてのあれこれを話すイベントとなっており、出演者は以下通りでした。

■出演者リスト

開始時間内容名前
12:05英語が分からなくても!BGGの役に立つ使い方飯野俊兵
12:20小さなベンチャーなりのゲームの作り方島津岳弘 / Talosil GAMES
12:35 ゲームマーケットの会場で面白いゲームを見つけるコツ蕪木P
12:50 愛されボードゲーマーのススメだてあずみ。/アソビCafe
13:05 (Game design is all about…)
…PLAYTESTING
Antoine Bauza
13:30 重量級ゲームのゲームデザインの役に立つ(かもしれない)3つの秘訣OKAZU br and 林
13:45認知行動療法のボドゲ化というコンセプトから2年の紆余曲折古川由己/ネコの探検隊
14:00なぜキャプテンダイスは旧作イーウォーズとまったく同じゲームなのに5倍も売れて注目されたのか。〜ゲムマで注目してもらう方法論〜大門 聖史 / グランドアゲームズ
14:15自分なりのカードゲームの作り方リコピン/人参緑茶(合同サークル名:カロチンミート)
14:30ボドゲ仲間をどう作る?オグランド/DokyoGames・あそびつながるラボ
14:45誰のためのゲームデザイン?―マーケティング担当者のデザイン原論大野真樹 / カラメルカラム
15:00 宗教改革500周年ゲームコンテスト結果発表
~ゲームコンテストで採用されるには?~
中村誠
15:15初心者が楽しめるゲーム会とは田原 大生 / enjoygames
15:30 ボードゲームのグラフィックデザインにおいて
ゲームルール体験を最大限に高めるために注意すべき点
TANSANFABRIKあさと
15:45僕の大好きなボードゲームを遊ぶにはこの三次元の世界は狭すぎる part2天乃氷鏡/ボードゲーム喫茶 天岩庵
16:00ゲームマーケットが目指す未来アークライト刈谷

(出典:『ゲームマーケット』公式サイト

今回は、数あるセッションのうちの1つアントワーヌ・ボウザ(Antoine Bauza)氏の『 (Game design is all about…)…PLAYTESTING』の内容を紹介したいと思います。


参考
ボードゲーム ライトニングトーク大会 登壇者の発表 | ボードゲーム ライトニングトーク | ゲームマーケット

アントワーヌ・ボウザ氏について

アントワーヌ・ボウザ氏は『世界の七不思議』シリーズ『花火』のゲームデザイナーです。

日本好きとしても知られており、過去に数回ゲームマーケットへも参加しています。

ゲームマーケット2015春:『公開インタビュー』

「ゲームマーケット2015春」では、ゲストとして公開インタビューが催されました。

ゲームマーケット2016春:『ボウザ&ルブラ』として出展

外人ダッシュ

「ゲームマーケット2016春」では、『ボウザ&ルブラ』とういうブース名でゲームマーケットに出展しました。

日本限定の作品『外人ダッシュ』が発売されました。


参考
ボウザ&ルブラ | ゲームマーケット

講演内容について

今回の講演内容は、ボウザ氏の話した内容が同時通訳されました。

同時通訳の内容は、言葉を強調したトーク内容となっていたこともあったのでボウザ氏の英語で喋った内容から書き起こしています。(一部英語力不足で聞き取れていない箇所も…)

QAを中心に同時通訳の内容も用いていますが、同時通訳と表現が多少異なることをご了承ください。

(Game design is all about…) …PLAYTESTING

邦題:プレイテストがゲームデザインの全てである

はじめに

皆さんこんにちは。
今から英語で話します。すみません。

(補足:ここまで本人による日本語です)

ゲームデザインをしてない人に会った際、彼らはゲームが大体1日位でできるものだと考えています。
朝にアイデアが出て、お昼にプロトタイプができ、夜にはそのゲームが出来上がってるという感じです。

多くの場合、その人達はゲームデザインにおいて重要なプロセスであるテストプレイについて知りませんでした。

プレイテスト回数について

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若手のゲームデザイナーに会った時、「自分のゲームのプレイ回数が50回未満の場合、
少なくとも50回になるまでプレイするのをやめてはいけない」と常に言っています。

プロトタイプ毎に少なくとも100回はプレイしましょう。

そして、これは退屈な作業になっていきます。

プレイテストが退屈になった時、この作業が本当の仕事であることがわかります。

プレイテストの作業について

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では、プレイテストの作業を説明します。

ゲームデザインを始めてゲームがうまく機能しないとき、まず友達のゲームデザイナーと共にプレイテストをします。

そしてゲームが面白くなってきたら、より多くの人を探しましょう。最初にプレイをしたゲームデザイナー達ではない身近な友人を探します。全くゲームを知らない人にプレイしてもらうことも試みましょう。

ただのプレイヤーとプレイテスターは同じではありません。うまいプレイテスターはゲームを良くするためのフィードバックをくれるためです。

プレイテスターと観察者

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プレイテストをする際、「プレイテスターとしてゲームをプレイする」か「観察者としてゲームをプレイする」かの2種類の方法があります。

観察者の意見はとても勉強になります。これをやっているうちに実際にプレイしている人たちを見ることだけで結構いい情報が入ってきます

ゲームが終わった時、よそ見をしてはいけません。
あなたのためにフィードバックがあるからです。

映画を観たり音楽を聞いたりするときと同じように、
大半は面白かったねということで終わります。

(絵を指して)これは、自分たちの関係のどこが良かったのか悪かったのかについて、アンケート記入をお願いしている女房に出ていかれる前の旦那さんの絵です。

(写真を撮り損ねました… by ニコ)

フィードバックについて

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全てのフィードバックを見て、プロトタイプの何が良くて何が良くないかを精査する必要があります。

プロトタイプのパラメーターは、混乱しないようにするため常に1つしか変更しません。

このプロセスは、いつも1年~3年かかります。それぞれのプロジェクトを混在しないように、(変更内容などについて)全てを書き残します。

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A:ねえ、僕の新しいブログのデザインはどう?
B:読むのにフォントが小さすぎる!
C:サイドバーは右側にあるべきだ!
D:最高だよ!
E:ナビゲーションのUIがしょぼい!
F:う~ん….ダークなテーマだね

A:フィードバックありがとう!僕の新しいブログデザインは最高だね!

多くの若手ゲームデザイナーは、沢山のフィードバックをもらってもそれでおしまいです。
フィードバックを書き残し、取り入れます。何度も言いますが、書き残すことは最も重要です。

このように普通のプロトタイプをいいプロトタイプ、さらにものすごくいいプロトタイプに
変化していくことになります。

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常にプロトタイプはこのような道を辿ります。
デザイナーのアイデアから始まり、沢山の内容が追加されてどんどんと大きくなっていきます。そして、プロトタイプはとても複雑なものになります。

多くの若手ゲームデザイナーはここでプロセスを止めてしまいます。
グラフの最も高い部分から削る作業は、ゲームデザインで必要不可欠ですし、削っていないものはゲームとして未完成です。

ゲームデザインのプロセス

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だいたいこういうプロセスでゲームデザインが進みます。
どんなプレイテスト、どんなプレイテスターがテストしているのかをコントロールします。

プロトタイプの作業、プロトタイプの間隔、デザインとルール
ここで重要なのは、実はゲームは出来上がっててもいいゲームになっててもルール
はまた別のものとして同じことを最初から繰り返すことになります。

ルールを読んで、そこで友達にみてもらってこれわかります?うーんわからない
その次に改善して次に友達とその友達とと繰り返します。

結局、最終的に知らない人に渡してちゃんとゲームができるのかというそういう
プロセスも50回。これをやっている人ってあまりいないので、
実はパブリッシャーの中にはこんなにやってる時間がない
というところも多いので、実はゲームが面白くてもルールがなっていないというところが多いです。

オススメの書籍について

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最後に英語を読むことができるならば、オススメの書籍が1冊あります。
それは、「Game design workshop」です。多くの本をベンチマークした中で、最も愛読して使っているので読んでみてください。

Q&A

Q. ゲームデザインするにあたり、沢山のゲームを作るのと、1つのゲームに集中して100回位プレイするのとどちらがいいですか?

A. 沢山のゲームをつくらなければいけないです。普通のどんな作業でも同じですが、最初はクソゲーしか出てこないです。で、これは普通にそうなってしまうので作って作って
1つのゲームに集中すると、そこで行き詰まるものすごく気落ちするので、やっぱり沢山のゲームを作ってそこから出てくるのは数個しかないのですが、それは普通の作業です。

Q. ゲームをつくるのにテストプレイヤーのリソースは限られた友人との環境でつくることが多いのですがテストプレイヤーリソースのモチベーションを保つためにはどうしたらいいでしょうか

A. 具体的にな んとも言えないのですが、プレイテスターはものすごく大事なことなので大事にする栄養を与えるやっぱりそういう人たちがいないと
ゲームがデザインできないので好きな人達とプレイしてその人達にモチベーションが来るように自分で考えて
この人は何が 欲しいのかということを考えながらプレイしてもらうのが一番いいですね、

Q. ゲームの対象となるプレイヤーはいつ決めているのでしょうか

A. 大体対象年齢と対象像は、ゲームを作り始める前に決めます。
デベロップをやっていくうちに実は変わっていく感じがある。
それは自分の作品先程のグラフにおいて自分のコントロール下に置いて
もともと子供向けゲームだと思っていたゲームがゲーマーズゲームに変化してもいいのか
あっているのかを考えて場合によっては変わります

プレイテストのセッションで説明したように正しい客層になるように。
そこで重要なのがプレイテスターがちゃんとした正しい客層である人でないといけないので、
子供向けゲームを作ろうと思うと、まずは子どもたちにプレイしてもらう他ないです。
これは当たり前中当たり前なのかもしれませんが、若手のデザイナーには、ゲーマーとしかプレイしていないという人がいるにはいるのでそれだけはやめてください。

書籍について

ボウザ氏が、講演内で紹介したゲームデザインの本『Games Workshop』は日本語名『中ヒットに導くゲームデザイン』という本で翻訳版が発売されています。

こちらの概要などは、「ボードゲーム読書会@高田馬場」のウェブサイトに載っており、Podcast配信もされているので、本を買うのは面倒だけど内容は気になるという方にオススメです。


参考
ボードゲーム読書会@高田馬場ポッドキャスト用ブログ


参考
Game Design Workshop – ボードゲーム読書会@高田馬場

おわりに

というわけで、以上になります。後日、動画も公開されるそうなのでおかしい点などありましたらご指摘ください。

そして、この記事がゲームデザイナーの皆様の参考情報になれば幸いです。