船で移動して島を探索!冒険の匂いがしますね。
今回ご紹介するゲーム『クーパー・アイランド』は、そんな冒険の要素が詰まった未知の島「クーパー島」を探検するワーカープレイスメントゲームです。
この記事を読めば、ルール概要とどんなゲームの特徴があるのかがわかりますよ!
『クーパーアイランド』はこんなゲーム
『クーパーアイランド』は、クーパー島調査団の船長として半島を調査して、資源の獲得、施設の建設などを経てより良い航海をすることを目指すゲームです。
ゲームは全5ラウンド。各ラウンドでは「収入フェーズ」「ワーカーフェーズ」「クリーンナップフェーズ」の3フェーズで構成されています。
主なアクションとなる「ワーカーフェーズ」には、4種類の「島探索アクション」と4種類の「個人ボード拡張アクション」の計8種類が用意されており、船員を配置することでアクションを行います。
「クーパー」はゲームデザイナーの愛犬の名前!
ゲームデザイナーは、『ラグランハ』をデザインしたAndreas “ode.” Odendahl氏。タイトルの「クーパー」というのは飼い犬の名前です。
ディベロップメントと編集は『ロココの仕立て屋』『モンバサ』『グレート・ウエスタン・トレイル』などのVictor Kobilke氏が手がけています。
『ポルトガル年間ゲーム大賞2020』のノミネート作品に!
『クーパー・アイランド』は、毎年重量級のゲームがノミネートされる「ポルトガル年間ゲーム大賞2020」のファイナリストとして選出されています。
【ニュース】
「ポルトガル年間ゲーム大賞2020」ファイナリスト5作品を発表‼️・バラージ
・クリスタルパレス
・クーパーアイランド
・マラカイボ
・パイプラインhttps://t.co/TuS5rtgjU7 pic.twitter.com/n7S1EEfjbI— ニコボド|ニコのボードゲーム日記 (@nico_bodo) August 25, 2020
『クーパーアイランド日本語版』はソロプレイ用ミニ拡張入りで9/26発売!
『クーパー・アイランド日本語版』にはプリント&プレイデータとして配信された「ソロプレイ用ミニ拡張セット」が同梱されており、1〜4人で遊ぶことができるようになっています。
【新製品】わん、わわん🐕(訳:愛犬クーパーが発見した〈クーパー島〉には、まだ見ぬ資源と富が眠っている!隅々まで調査し、自分の場を拡大せよ!2019年エッセン大注目の、ゲーマー向け超大作がついに登場!『クーパー・アイランド 完全日本語版』は9月26日発売予定!)https://t.co/dXPwxotyON pic.twitter.com/clVkER3UgY
— アークライトゲームズ (@ArclightGames) August 27, 2020
参考
クーパー・アイランド 完全日本語版ArclightGames Official
『クーパーアイランド』のゲーム準備
各プレイヤーに「プレイヤーボード」「ワーカーボード」「小島タイル」「ボートトークン」「その他トークン」を配り、配置します。
「プレイヤーボード」「ワーカーボード」に乗った駒は、個人ボードから他の場所に移動することで個人能力が強化される仕組みになっています。
「ワーカーボード」には以下の通り4つのマイルストーンが示されており、各条件を達成するとワーカー駒が増えます。
マイルストーン
- 「小船」の配置x2
- 「木箱トークン」の獲得x2
- 「彫像トークン」の配置x2
- 「建物」の配置x2
場の中央に「中央島ボード」と「半島ボード」をプレイヤー人数に応じてつなぎ合わせ、各プレイヤーの「半島ボード」に「船駒」と「草原タイル」を配置します。
▲上の写真は3人プレイの図
1人1半島をプレイすることになりプレイ人数によって変形する可変ゲームボードになっているのも特徴の1つです。
『クーパーアイランド』のルール
ゲームは全5ラウンドで、各ラウンドは「収入フェーズ」「ワーカーフェーズ」「クリーンナップフェーズ」の3つのフェーズで構成されています。
各フェーズでのアクションは以下の通り。
1. 収入フェーズ
手のアイコンがついたアクションを行います。ゲーム開始時は、「小島タイル」の配置と「連結地形タイル」の配置を行うことができます。
各タイルは「半島ボード」をはみ出ないように配置され、配置後に地形の種類に応じた資源が産出されます。
産出される資源は、地形ごとに決まります。森=「木」、草原=「食料」、山=「石」/「金(※3段目以上)」、開拓地=「布(※3段目以上)」
積み重なったタイルの段数=その資源の産出量となっており、必要資源の支払いの際に「半島ボード」上から支払うことができるのが特徴となっています。
▲上の写真の場合には、「食料」が3つ、「木」が7つ、「石」が5つあることになります。
2. ワーカーフェーズ
「中央島ボード」にワーカー駒を1つ配置してアクションを行います。
アクションは全8種類あり、「島探索アクション」が4種類。「個人ボード拡張アクション」が4種類となっています。
他プレイヤーが配置しているエリアにもワーカーを配置してアクションを行えますが、追加コストを支払う必要があります。
島探索アクション
▲タイルを1枚獲得or配置+マーカーを1つ移動
▲タイルを1枚獲得&配置
▲マーカーを3つ移動+コインor資源を1つ獲得
▲タイルを2枚獲得or配置
個人ボード拡張アクション
- 建物(小)
船1移動+建物(小)カードを獲得
- 建物(大)
船2移動+建物(大)カードを獲得
- 砦
船4移動+「3. クリーンナップフェーズ」の追加アクションを獲得
- 廃墟トークンの獲得
半島ボードから「廃墟トークン」を獲得
➡️裏返して「彫像トークン」にして個人ボードに配置 - 「彫像トークン」の配置
個人ボードの「彫像トークン」を半島ボードに配置
➡️船1移動+「3. クリーンナップフェーズ」で追加得点獲得
「木箱トークン」の獲得
個人ボードの5つのアクションのうち1つを行う
- タイル1枚獲得タイル1枚配置
- マーカ2移動
- 2金獲得
- 2資源獲得
船移動
各アクションに付帯して付いてくるのが「船移動」のアクションです。
プレイヤーが移動することができる船は2つ。大きい船は左方向に、小さい船は右方向に移動します。
船は移動先の小島に書かれた効果を得ます。順に進んでいくと、他プレイヤーとのつなぎ目に到達➡️「航海日誌トークン」を獲得することができます。
ゲーム終盤には、他プレイヤーの半島ボードに船が到達することもあります。
▲ゲーム終了時の様子
3. クリーンナップフェーズ
このフェーズは、次ラウンドへの準備に相当します。
- ワーカーへの食料の支払い
- 「建物カード」を1枚表向きに or 「木箱トークン」を1つ獲得
- 「彫像トークン」による勝利点の獲得
- 半島探索による勝利点の獲得
- ワーカー駒の回収
- マーケットプレイスの資源移動
- ラウンドマーカーの移動
ゲームの終了と得点計算
全5ラウンドが終了すると得点計算に移ります。
- 航海日誌トークン(5点/冊)
- ロイヤルオーダーカード(カードの得点)
- 建築カード(カードの得点)
- 残り資源(1点/5個)
- アンカートークン(ー1点/個)
これらを合計し、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『クーパーアイランド』のレビュー
タイル配置の自由さとワーカープレイスメントによるインタラクションの緩急が面白い!
各プレイヤーの「半島ボード」でそれぞれ区切られているため、「1. 収入フェーズ」でのタイル配置による資源獲得戦略は自由に行うことができ、他プレイヤーからの邪魔を一切受けません。一方で、その自由度は「2. ワーカーフェーズ」で制限されます。
ゲーム中、「ワーカーボード」のマイルストーンは中期目標に相当します。ゲーム序盤2つのワーカーしか使えない中で、最短手で達成する必要があります。
資源がない中で他プレイヤーと同じアクション選択(=マイルストーンを狙う)のは得策ではなく、うまくアクションのバッティングを回避することで資源消費を最低限に抑えて達成を目指します。
この点においては、他プレイヤーが何を狙っているのかや他プレイヤーの動きに応じて臨機応変に自分の最適手を選ぶ必要があります。
「1. 収入フェーズ」の自由に箱庭を作る楽しさと、「2. ワーカーフェーズ」のワーカー配置による相互インタラクションによって緩急のが大きくついているのが特徴的で、面白いと感じました。
1〜2ラウンド目で絶望感が漂うが、後半から急加速にワクワク!
ゲーム全体の流れとしては1〜2ラウンド目で「仕込み」、3〜4ラウンド目で「拡大」、5ラウンド目で「得点の最大化を狙う」といった感じでした。
最短でもワーカーの追加は3ラウンド目以降になり、2ラウンド目まででメインアクションが4手しか打つことができません。
しかもゲーム開始時の手持ち資源はほぼないこともあり、2ラウンド目終了時点での進捗具合に初見では絶望感が漂うはずです。(少なくとも私はそうでした)
しかし、ゲーム序盤でコツコツと配置したタイルの積み重ねによって中盤以降から得られる資源の量が急加速していきます。
ここを見越したタイル配置戦略を考えるのが楽しく、後半の急加速にワクワクしました✨
ゲーム序盤は、個人能力選択の場でもある
ゲーム内で最適手をそれぞれが打つと、マイルストーンによって個人ボードの能力が解放され各プレイヤーの特徴が際立ってきます。
先に述べた通り、他プレイヤーの振る舞いによる影響を受けるので仕方なくという部分もありますが、他プレイヤーの能力が羨ましくなり「隣の芝生は青く見える」状態になります。
昨今のゲームでは、ゲーム開始時に各プレイヤーの特殊能力が設定されているものも多くあるかと思いますが、「クーパー・アイランド」ではゲーム序盤の動きが各プレイヤーの特殊能力選択&初期設定の場であると考えました。
船アクションのコンボが楽しい!「航海日誌」の獲得は高得点なのを忘れがち!
ここまで個人ボードの解放と資源獲得についてを主に説明しましたが、ゲームの主な得点源は「航海日誌」の獲得なのです。
建物カードの勝利点やミッションカードなどによって勝利点が示されていますが、得点効率としては「航海日誌」の獲得には劣ります。
船の移動は、「2. ワーカーアクション」の各所で付帯してくるアクションではあるのですが小島への移動による特殊効果をうまく活用した資源獲得は勝つためには必要不可欠になります。
先に述べたとおり、手番におこなうアクション数が少ないのを補うのがこの船アクションになります。ゲームのルール上は「2. ワーカーアクション」に含まれていますが船移動によるコンボは楽しく、没入感があります。
個人ボードがペラい
残念な点としては、個人ボードが厚紙ではなくペラペラであるという点でしょうか。イメージとしては「グレート・ウエスタン・トレイル」の個人ボードと同様です。
収納しておくと沿りかえってしまうのは残念でした。メインとなるゲームボードが、相当複雑な形状をした可変ボードなので、もしかするとその影響なのかも?
『クーパー・アイランド』のまとめ
⭕️:資源獲得のためのタイル配置戦略が悩ましい!
⭕️:船アクションのコンボが楽しい!
❌:個人ボードがペラペラ!
ゲームとしては、個人ボードの能力を全てを解放できずに終わるため、今度はあんな戦略でやってみたいといったリプレイ欲を掻き立てられるゲームでした。
ワーカープレイスメントゲームや90分級のゲーマーズゲームが好きな方におすすめです!!
建物カードは言語依存も高いし、ソロプレイ用ミニ拡張も付いてくるので日本語版は正直買いです!英語版を持っていますが、買い直そうか悩んでいます。レビュー書いてたら、また遊びたくなってきた〜。
『クーパー・アイランド』の商品情報
ゲーム名 | クーパー・アイランド (Cooper Island) |
---|---|
デザイナー | Andreas “ode.” Odendahl |
プレイ人数 | 1〜4人 |
プレイ時間 | 75〜150分 |
対象年齢 | 12歳~ |
版元 | Frosted Games |
出版社 | アークライト |
価格 | ¥7,500(税込) |
- 中央島ボード 1枚
- 半島ボード 4枚
- 穴埋めパーツ 5枚
- 入り江タイル 4枚
- プレイヤーボード 4枚
- ワーカーボード 4枚
- カード 44枚
- 連結地形タイル 60枚
- シングル地形タイル 56枚
- 小島タイル 24枚
- ボートトークン 24個
- 資源キューブ 100個
- 建築物コマ(大・小・砦) 20個
- 一般ワーカー 16個
- 特別ワーカー 8個
- 帆船コマ(カッターブリッグ) 8個
- 地図製作者マーカー 4個
- 港長マーカー 1個
- 航海日誌トークン 30個
- 廃墟/彫像トークン 20個
- 木箱トークン 20個
- 目標トークン 16個
- 錨トークン 16個
- コイン 24枚
- クーパーマーカー 1個
- 布袋 1個
- 得点記録表 1冊
- ルール説明書 1冊
- ソロプレイ用カード 24枚