ゲーム名 | Improvement of the POLIS (インプルーブメント・オブ・ザ・ポリス) |
---|---|
ゲームデザイン | 慶應HQ |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 45~60分 |
対象年齢 | 7歳以上 |
メーカー | ASOBITION |
『インプルーブメント・オブ・ザ・ポリス』ってどんなゲーム?
『Improvement of the Polis』は、古代ギリシャを舞台にした拡大再生産ゲームです。紀元前8世紀の古代ギリシャを舞台に、自分の都市を発展させて他の都市を上回ることを目指します。
ゲームデザインは、慶應義塾大学のボードゲームサークルHead Quarter Simulation Game Club(慶應HQ)によるもの。
▲慶應HQのオリジナル版
ゲームマーケット大賞2018のエキスパート部門で大賞を獲得したゲームで、アソビジョン(ASOBITION)から製品版としてゲームマーケット2019大阪で先行発売されました。
勝利条件
ゲーム終了時、最も勝利点の多いプレイヤーがゲームに勝利します。
終了条件
全9ラウンドが終わるとゲームが終了します。
ゲーム準備
各プレイヤーに個人ボード、手札カード、初期資源などを配ります。
個人ボードには担当する都市が書かれており、初期パラメーターや都市を進化させた際の能力が異なっています。
ゲームボードには必要コンポーネントを並べます。これは全プレイヤーが共通して使用するパラメーターとなっています。
ゲームルール
手番は、7つのフェイズを順に行うことでゲームが進みます。
STEP.4以外は、全プレイヤー同時に処理をおこないます。
ラウンド終了時に適用されるイベントカードが公開されます。
個人ボードで示された税収に応じたお金(ドラクマ)を受け取ります。
ダイスを振り、出た目にを確認して個人カードのアクションを選択して行います。
STEP.3で決めたアクションを実行します。
この時ダイスの出目がカードに書かれた数字を上回っている必要があり、不足している場合には市民レベルなどを下げることで対応します。
このフェイズは、アクションカードの数字の小さい順に解決します。
コストを支払い、個人ボード上の「文化」「経済」「軍事」のいずれかのレベルを1つ上げます。
STEP.1で公開されたイベントカードを解決します。
ゲーム中で達成すべき5つのマイルストーン(先取り)があり、これの達成状況を確認します。
- 勝利点「10」を達成する
- 市民「12」を達成する
- 兵力「6」を達成する
- 経済レベル「4」を達成する
- 発展カードを「3枚」達成する
これを9回繰り返し、ゲーム終了時最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となります。
アクションカードは全7種類!
手番のメインとなるカードアクションは全7種類あり、それぞれ以下の通りとなっています。
ラウンド終了後は全カードは回収できるため、プレイヤーは常にこの7つのアクションのうち2〜3回を手番で行うことになります。
立法
「市民」を「3」獲得&「政治カード」を2枚引いて、1枚を手札に加えます。
哲学
「哲学トークン」を1枚獲得します。
「哲学トークン」は、枚数に応じて3つの使い方があります。
- 1枚:STEP.2で市民を3つ得る
- 1枚:STEP.5で追加でレベルを1つ上げる
- 2枚:STEP.4&5「知識トークン」として使う
文化
個人ボード上の「文化レベル」と等しい勝利点を獲得します。
交易
個人ボード上の「経済レベル」+1のお金を獲得します。その後、任意の「知識トークン」を4金で獲得します。
軍拡
個人ボード上の「軍事レベル」に等しい「兵力」を獲得します。その後、植民をして共通ボードから「知識トークン」を獲得します。
「知識トークン」獲得時には、「兵力」が減りますがお金や勝利点を得ることができます。(【お金のみ】、【お金&勝利点】、【勝利点のみ】の3種)
政治
手札の「政治カード」1枚を自分の場に出します。その際、必要コストを支払う必要があります。
「政治カード」は、【即時効果(黄)】【永続効果(青)】【勝利点(紫)】の3種類があります。
進歩
自分の都市(個人ボード)を進歩させます。
各個人ボードには4種類の能力が書かれており、必要資源を支払って進歩させます。こちらも「政治カード」と同様に3種類のタイプが存在します。(個人ボードごとに異なる)
実際に遊んでみて
- リプレイ性が高い!
- ダウンタイムが短い!
- 熾烈な「文化トークン」争い!
繰り返し遊びたくなる!
ゲーム終了後、すぐにもう一度遊びたい!となるゲームでした。
その理由としては2つ。まずは、すべてのやりたいことをやりきれないままゲームが終了すること。
そして、使用する都市(個人ボード)によって能力が異なるので違う都市でもプレイしたくなります。
政治カードのシナジーは2回目以降からが本番?
「政治カード」の能力なども一通り知ってから遊ぶことで、カード同士や都市の能力とのシナジーなども見出せるようになるのではないかと思います。
初期の「政治カード」はカードドラフトによって決まるのですが、初見ではコストの程度などの勘所を掴むのが少し難しかったです。
ダウンタイムが短く、濃密なプレイング!
ゲームの特徴としては、手番でのダウンタイムが非常に短いこともあげられるかと思います。
全7フェイズをこなすのですが、「STEP.4 アクションフェイズ」以外は基本的に同時解決なのでほとんど待つことがありせん。
そのため常に自分の戦略に集中でき、濃密なプレイングになる印象を受けました。
インタラクションもバッチリ!植民は重要!!
一方で、マイルストーンや植民などで早取りの要素などもあることから他プレイヤーとのインタラクションもきちんとあるのも良いところです。
植民地化して獲得する「知識トークン」が、個人ボードの発展や「政治カード」のプレイに必要となるため
相手の軍事力や今後の見通しをしてどの「知識トークン」を得るのか考える必要があります。
コンポーネントが少し残念!
製品版としてリリースされたわけですが、ゲームの内箱が上げ底すぎで上げ底の裏側にコンポーネントを詰め込まないと収納できないという難点があります。
カードは、せっかくイラストが追加されているもののシルエットでのみの表現になっていて文字が主体となってしまってい、質素だな〜と感じたのが正直なところです。
とはいえ、ゲーム自体は本場のユーロゲームに負けない拡大再生産ゲームとなっているので一般流通が楽しみです。
おわりに
今回は、ゲームマーケット大賞2018でエキスパート大賞を獲得した拡大再生産ゲーム『Improvement of the POLIS』をご紹介しました。
拡大再生産やシビライゼーション系ゲームがお好きな方に是非とも遊んでいただきたい1作です!!