『ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(KDJ)』を2年連続受賞した「アレクサンダー・プフィシュター(Alexander Pfister)」氏について、ネットでインタビュー記事などを探していたところ、「Meeple Mountain」さんで見つけました。

今回、記事を執筆されたAndy Matthewsさんにインタビュー記事の翻訳と公開の許可をいただきました。つたない和訳ではありますが、お読みいただければ幸いです。また、KDJ 2016受賞前のインタビュー記事であることについてご了承下さい。

Interview with Alexander Pfister - Designer of Isle of Skye | Meeple Mountain



Meelpe Mountain Interviews
Alexander Phister - design of Isle of Skye

June 20, 2016
By Andy Matthews

はじめに

    Meeple Mountainのインタビューテーブルに来て下さったアレクサンダー・プフィシュター氏を歓迎します。『ポートロイヤル(Port Royal)』、『オーマイグーッズ!(Oh My Goods)』、『モンバサ(Mombasa)』、「ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2015(以下、KDJ 2015」を受賞した『ブルームサービス(Broom Service)』、「ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2016(以下、KDJ 2016)」にノミネートされた『スカイアイランド(Isle of Skye)』等。近年、アレクサンダー・プフィシュター氏は数多くのゲームを世に送り出しています。

    Note: いくつかの質問は、『ロッキーロードアラモード (Rocky Road a la Mode)』のゲームデザイナーである「Joshua Mills(@JoshuaJMills)」氏が尋ねたものになります。彼からの質問については、(JM)と記載をします。

ゲーム環境について

    Meeple Mountain(以下、MMと表記):アレクサンダーさん、本日はお越しいただきありがとうございます。早速ですが、最近プレイしているゲームを教えてください。

    私たちはゲームクラブを持っており、幸運にもクラブで沢山の新しいゲームを買っています。そのため、新しいゲームを試す環境があり、それらのゲームを大抵プレイしています。通常は一度だけです。そして、なるべく開発中の自分のゲームのテストプレイをします。


    MM: どのように、そしていつボードゲームのデザインを始めたのですか?そして、あなたはフルタイムのボードゲームデザイナーですか?

    子供の頃にボードゲームのデザインを始めました。例えばモンバサは、30年前にデベロップしたゲームがベースになっています。私の最近の成功は、ゲームデザインにより多くの時間を使うための私のモチベーションになっています。しかしまだ趣味の範囲内であり、フルタイムではありません。


    MM: フルタイムでは何をされているのですか?

    ファイナンシャル・アナリストをしています。

    MM: その経験が、『スカイアイランド』で披露した優れた経済バランスのゲームシステムに活かされているのですね!

ゲームデザインについて

    MM: 完成したゲームに至るまで、コンセプトと初期のプロトタイプ(のゲームデザイン)のどちらから進めるのでしょうか。(JM)

    アイデアがある時は、可能な限りまずテストプレイをします。これは他のゲームや手書きのカード/ボードを使って行います。私はプロトタイプを作るのにあまり多くの時間を費やさないようにしています。

    最初のテストプレイが面白かったりポテンシャルが見えれば、そのまま進みます。より良いプロトタイプを作り、再度テストプレイを行います。できれば、他のゲームデザイナーと一緒にです。これらのゲームはまだゲームの完成形になっていません。ゲームのポテンシャルをテストする為だけのものになります。

    この次のステップが、ゲーマーにとってのプロトタイプとなりうるでしょう(ゲームの終了条件やイラストなど)。それから数多くのテストプレイを行ないます。


    MM: 自分で制約などを決めてゲームデザインをしているのですか?もしそうであれば、どのようなものですか。(JM)


    時には、制約のあるデザインコンペがあります(例: 110枚のカードで構成されるゲーム)。しかしこれは別として、私としては特に制約を設けていません。


    MM: あなたのゲームの1つのアイデアについて、誰も意見しないのですか?それともあなたを笑顔にするために、持ち寄られるのでしょうか?それは、メカニック、テーマ、カードの配置方法などについてで構いません(JM)

    『オー・マイ・グーッズ!』では、ワーカーとアシスタントは片方が男性でもう片方に女性がいます。私はこれについては何度話し合ったかわかりません。

    MM: 「オー・マイ・グーッズ!」については私の好きなゲームの1つです。このような単純な足し算について、ゲーム中に含めるかどうか決まるには長い道のりを辿るということですね。ありがとうございました。


    MM: ゲームにおける重さについては、デザインプロセスのどの段階で考え始めるのですか?例えば、「ポートロイヤル(Port Royal)」がより重いゲームとして仕上げることを考えましたか?

    十分な深さを保った上で、可能な限りシンプルなデザインになるように努めています。『モンバサ』は、よりシンプルなものでした。しかし、出版社はより重量級ゲームを望んでいました。

    ゲーム自身にランダム要素があるならば、ゲームはよりいっそうシンプルで短くあるべきであると考えています。

    MM: 「ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2016」にノミネートされた『スカイアイランド(Isle of Skye)』はリプレイアビリティとバラエティに富んでいます。明確な組み合わせがない中で、十分であると決めるためのテストをどのように可能にしているのですか?コンピューターシミュレーションを使っているのですか?それとも数多くのテストプレイを行っているのですか?

    1つの良い点としては、得点タイルが全員のオープン情報であるため、1つの得点タイルで他のプレイヤーよりも多くのポイントを稼いでいるかどうかは関係ないという点です。 プレイヤー全員がこの得点タイルに焦点を当てることになるので、もちろんそれは多すぎてはいけません。

    いくつかのタイルが他のものよりも貴重であり、2枚か3枚の得点タイルによってポイントを与えることがうまく作用していると考えています。 これは、価格決定のプロセスをより面白くします。

    私たちは、コンピュータ・シミュレーションを持っていませんでした。そのため、数多くのテストプレイのみを行いました。


     MM: あなたは、ボードゲーム業界で最もよく知られているアーティストの方々と働いてきました。ゲームデザインにおける方向性をどのようにまとめているのですか?

     
    私のゲームの多くを手がけたクレメンス・フランツ (Klemens Franz)を除いて、私はアーティストと多くの接点を持っていませんでした。(『スカイアイランド』、『ポートロイヤル』、『オー・マイ・グーッズ』 、『モンバサ』など、実際に私のゲームのほとんどが彼によって描かれています。)しかし、一般的にそれは出版社がイラストを決定し、アーティストと共に仕事をします。

「ドイツ年間ゲーム大賞」について

    MM: 『ブルームサービス 』が「ドイツ年間エキスパート大賞2015」を獲得しました。現在『スカイアイランド』が今年の同賞にノミネートされました。ドイツ年間ゲーム大賞(SDJ)において、「ヴォルフガング・クラマー(Wolfgang Kramer)」と「ミヒャエル・キースリング(Michael Kiesling)」氏のコンビが1999年と2000年に『ティカル (Tikal)』, 『トーレス (Torres)』で受賞してから、2年連続して受賞したゲームデザイナーはいません。今回、この記録を更新するチャンスがあることについてどのように感じていますか?

    これについてあまり深く考えないようにしています。3つのゲームがノミネートされており、賞を獲るチャンスは33%未満しかないためです。だけど、受賞できるならば素晴らしいことですね!

    MM: 残念な結果だとしても、『スカイアイランド』は個人的なKDJ大賞ゲームです。様々なリプレイアビリティや経済的原動力を提供しており、言語依存がありません。それに加え、とにかく素晴らしいゲームです。


    MM: ゲームがKDJやSDJにノミネートされるに至った経緯についてお話しいただけますか?また、KDJ受賞後に何が起こったかについてもお願いできますでしょうか?

    2015年のKDJは事前に私に対して何もプロセスはありませんでした。審査員は各カテゴリにノミネートされた3つのゲームすべてをプレイして決めます。その後、セレモニーに招待されました。(実際には、出版社がその招待を受け取ります。)セレモニーの前に、すべてのノミネートゲームが報道陣に贈られれます。セレモニーの前夜に審査員は秘密裏に投票し、審査員長が票を集計します。彼のみが大賞受賞者を知ります。

    セレモニーは月曜日の朝に行われます。そして多くの人々が出席しています。3つのノミネート作品についての短いビデオクリップ(オスカーセレモニーに似ています)のあと、魔法の瞬間が訪れます。大賞受賞者がアナウンスされ、セレモニーの後に受賞者は数多くのインタビューを受けます。 


    MM: 『スカイアイランド』の成功およびKDJ受賞の可能性があることによって、拡張について予定していますか?

    実は、いつ出版されるかはわからないのだけど、拡張の準備をすでに終えました。拡張では、自分の王国内を移動することができるようになります。そのため、道路はより重要になります。そして、我々は灯台にウイスキーをもたらすような契約を、持っています。これは、多くが起こっているように聞こえる場合でも、我々は可能な限りシンプルに保つことを試みました。簡単かつ迅速なゲーム:私たちはスカイ島の強さを節約したかったとして遊ぶ時間があまり増加しません。

    MM: それはいいことを聞きました!レビュー用サンプルを送るときにMeeple Mountainのことを思い出してください!(^^)



    改めてアレクサンダーさんお時間と素晴らしいゲームをありがとうございました。Meeple MountainはKDJでのあなたの幸運をお祈りしています。

    元記事:
    Interview with Alexander Pfister - Designer of Isle of Skye | Meeple Mountain