ゲーム名 | ダイナスティ (Dynasties: Heirate & Herrsche) |
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デザイン | Matthias Cramer |
人数 | 3~5人 |
年齢 | 12歳~ |
時間 | 60~90分 |
メーカー | Hans im Glück |
『ダイナスティ』について
『ダイナスティ』は、政略結婚がテーマのゲームで、4つの地域にある各都市で勢力争いをします。
『シュタウファー』や『マルコポーロの旅路』等、やりごたえのある重量級ゲームをリリースするHans im Glückがニュンベルク2016で発表した新作ゲームです。
ゲームデザインは、Matthias Cramer氏。日本では、小クラマーの愛称で呼ばれていたりします。代表作は、『ロココの仕立て屋(Rococo)』や 『ランカスター(Lancaster)』。これら2つの作品は共に『ドイツ年間ゲーム大賞』のエキスパート部門のノミネート作品になっています。
ゲームの流れ
全3ラウンドを行います。
各ラウンドは、全プレイヤーがラウンドから降りることを選択するまで行われます。
目的
一族を各地に派遣し、結婚をすることで4つの各地域で最大勢力となり、より多くの名声点を得ることを目指します。
勝利条件
ゲーム終了時に得点が最も多いプレイヤーが勝利します。
得点方法
ゲーム終了時に4つの地域で発生するエリアマジョリティの計算や、条件を満たすと勝利点を獲得できる「決算カード」を使用することで得点を獲得します。
手番で行うこと
手番でできることは3つあります。手番が来たとき、これらのうち1つを選び実行します。
- 手札を1枚プレイする
➡ アクションカードを1枚使用します。 - パスする
➡ アクションカードを1枚捨て、袋から商品(木駒)を1つ獲得します。 - ラウンドから降りる
➡ ラウンド中、1, 2のアクションを行えなくなります。
アクションカードについて
アクションカードには3種類のアクションが書かれており、その中から1つを選びます。
こんな感じのカードが、ラウンド開始時に配られます。(4~6枚)
アクションカードに書かれているアイコンを説明します。カードに描かれたアイコンは、全部で6種類あります。
『剣』と『薔薇』
カードのアイコンの『剣』は侯爵。『薔薇』は侯爵夫人を表しています。各都市に自分のワーカーを1人配置することができます。各都市には、侯爵・侯爵夫人をそれぞれ1人を配置することができるようになっています。配置する際は、盤面に書かれた商品を支払う必要があります。
2人のワーカーが置かれると、『結婚』の処理が発生します。
結婚
都市のマスには、大きいマスと小さいマスの2つが書かれています。『結婚』の処理が発生すると、結婚祝いのサイコロを振って報酬を得ることができます。置いたマスによって、それぞれ役割が異なります。
小さいマス | 3個のダイスを振り、出目を確認して1個・2個の2つに分けます |
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大きいマス | 2つに分けられたダイスのどちらを獲得するかを選びます (小さいマスに配置したプレイヤーは、残ったダイスを獲得します) |
『建物』
早いもの勝ちで、貴族の能力を使うことができます。各貴族はタイルになっていて、ラウンド毎にシャッフルして配置されます。各能力は割愛しますが、非常に強力です。
『船』
船にワーカーを配置します。都市の盤面と同様に2人分のスペースがあります。ここで、ランダムに配置される商品(木駒)を獲得することができます。
2人のワーカーが置かれると、『商品の分配』が行われます。
商品の分配
船には商品が置かれており、それらを分配して獲得します。都市のマスと同様に、大きいマスと小さいマスの2つが書かれています。置いたマスによって、それぞれ役割が異なります。
小さいマス | 船にある商品を分配します |
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大きいマス | 2つに分けられた商品のどちらを獲得するかを選びます (小さいマスに配置したプレイヤーは、残った商品を獲得します) |
『金貨』
このアイコンは、カードの中央に書かれています。金貨を支払うことで、カードの下側に記載されたアクションを行うことができます。(例:特定の都市にワーカーを配置するなど)
『目ん玉(?)』
このアイコンは、カードの中央に書かれています。【ラウンドから降りる】ことをカードの効果を利用することで行います。
追加コストを支払うことなく、優先的に先頭になることができます。
ラウンドをパスする
ラウンドをパスすることを選択したとき、『目玉マーク(?)』の書かれたエリアにワーカーを配置します。
ピンク色の商品を多く支払うほど、ラウンド終了時のボーナスを優先的に獲得することができます。
ラウンド毎の処理について
全プレイヤーがラウンドを離脱すると、ラウンドが終了します。その後、ラウンド終了時の処理を行います。次ラウンドの処理も含まれるので、ざっくりと挙げると主に3点あります。。
1. ラウンド終了ボーナスを獲得
『目玉マーク(?)』の書かれたエリアに置かれたワーカーの先頭から順にボーナスを獲得します。
2. ラウンド終了決算を行う
1・2ラウンド目 | 独身のワーカー数に応じて、勝利点を獲得 |
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3ラウンド目 | 1. 各エリアでの影響力が1位・2位のプレイヤーが勝利点を獲得します。 2. 王冠の書かれた都市に全てワーカーを置いているプレイヤーが勝利点を獲得します。 |
3. 決算カードの使用
決算カードの条件を満たしていれば、カードを使用することで勝利点を獲得します。
実際に遊んでみて
自分の手番でできることが、手持ちのアクションカードによって縛られるため自分のやりたいことと、できることが一致しないもどかしさがあります。
これを解決するために、できない不足分のアクションを『貴族』などのアクションを使うことで補います。ここにジレンマがありつつも、プレイヤー毎で手番でできることに差が生まれるデザインになっています。
各プレイヤーのアクション選択肢についての非対称性について、嫌う方もいるかもしれないなちう印象を受けました。個人としては、手札があるなかでどのように最適なアクションを選んでいくかを考えるところが楽しくもありました。
ラウンド後半になって気が付いたことですが、政略結婚がテーマであることもあり結婚を成立した際に獲得できるお祝い(ボーナス)をもらわないと結果的に行えるアクションの幅が狭まります。ついつい決算カードの達成にばかり気をとられて、結婚するということをおそろかにした戦略をとってしまっていたので非常に反省したてんでもありました。
とはいえ、結婚祝いについてもダイスによって決まるため常に自分のほしいものがエられるわけではありません。政略結婚という運命に翻弄されつつ、どうベストを尽くすかを楽しむテーマの再現度が高いゲームという印象を持ちました。
おわりに
今回は政略結婚をテーマにしたゲーム『ダイナスティ』をご紹介しました。
ルール概要を抜き出してご説明しましたが、大体どんな感じにゲームが進むのかが伝われば幸いです。盤上の雰囲気などはオフィシャルサイトのムービーなどをご覧ください。