ゲーム名 | ふたつの城の物語 ルートヴィッヒの夢の彼方に (Between Two Castles of Mad King Ludwig) |
---|---|
デザイナー | Matthew O’Malley, Ben Rosset |
プレイ時間 | 45〜60分 |
プレイ人数 | 2~7人 |
対象年齢 | 10歳以上 |
メーカー | アークライト / Stonemeier Gmaes |
『ふたつの城の物語』ってどんなゲーム?
『ふたつの城の物語』は、隣のプレイヤーと協力して城を完成させるタイル配置ゲームです。プレイヤーは建築家となり、ノイシュヴァンシュタイン城を作り上げたルードヴィヒ王からの依頼を受けて城の建築を行います。
手番ではタイルを2枚選び、右隣のプレイヤーと左隣のプレイヤーとそれぞれに1枚ずつ配置して城をつくっていきます。
本作は、『ふたつの街の物語』と『ノイシュヴァンシュタイン城』のコラボレーション作です。ゲームシステムは『ふたつの街の物語』から、テーマは『ノイシュヴァンシュタイン城』から来ています。
『ふたつの城の物語』の勝利条件
ゲーム終了時最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『ふたつの城の物語』の終了条件
全2ラウンドが終了すると、ゲームが終了します。
『ふたつの城の物語』の内容物
- 部屋タイル:147枚
- 特殊タイル:48枚
- 謁見の間タイル:7枚
- 早見表:7枚
- 宮廷介添人タイル:28枚
- ボーナスカード:20枚
- 城トークン:7個
- 得点シート:1冊
- ルール説明書:1冊
『ふたつの城の物語』ゲームの準備
プレイヤーの間に「謁見の間タイル」と「城トークン」を配置し、各プレイヤーに「早見表」を配ります。
『ふたつの城の物語』のルール概要
ラウンド開始時に、9枚のタイルを受け取ります。
プレイヤーは、手番でそのタイルの中から2枚を選んで残りのタイルを隣のプレイヤーに渡します。(タイルドラフト)
その後、選んだ2枚のタイルをそれぞれの城に1枚ずつ配置します。
その際隣のプレイヤーの選んだタイルもあるため、合計2枚のタイルの配置位置を隣のプレイヤーと共に相談して配置します。
ラウンドの終了とゲームの終了
全4回の手番を行うとラウンドが終了します。これを2ラウンドおこなうとゲームが終了します。
『ふたつの城の物語』のタイルの種類
タイルは全7種類あり、それぞれ以下のような特徴を持っています。
各タイルには左上・右上にアイコンが書かれており、それらのアイコンと得点条件がリンクしています。
タイルの配置場所については、「謁見の間タイル」と同じ階層以上に配置する場合が【地上】。「謁見の間タイル」よりも下に配置する場合が【地下】となります。
タイル配置ボーナスについて
同じ種類のタイルを「3枚」、「5枚」配置するとそれぞれボーナスを獲得することができます。
- 3枚配置時:タイルの種類に応じたボーナスを獲得
- 5枚配置時:「特殊部屋タイル(庭、塔、ホワイエ)」を1枚獲得
1. 食料庫
- 配置場所
- 地上
- 得点条件
- 2点/上下or左右の「?」タイル1枚
- ボーナス
- 追加タイル1枚(5枚引き)
2. 居間
- 配置場所
- 地上
- 得点条件
- 1点/周囲8マスの「?」タイル1枚
- ボーナス
- 宮廷介添人1枚(4種類から)
「宮廷介添人」は全4種類あり、ゲーム終了時に得点になります。
下の写真のように「謁見の間タイル」の左右に1枚ずつ配置することができます。
3. 納戸
- 配置場所
- 地上
- 得点条件
- 1点/接続している「?」タイル1枚
- ボーナス
- ボーナスカード1枚(3枚から)
▲こんな感じで色々な得点条件が書かれており、ゲーム終了時に得点になります。
4. 屋外
- 配置場所
- 地上
- 得点条件
- 1点/城に配置されている「?」タイル1枚
- ボーナス
- 「噴水」1枚
屋外タイルの上にはそれ以上タイルを配置することができません。全ての青枠で囲まれている屋外タイル(「噴水」「塔」含む)にその条件が適用されます。
5. 寝室
- 配置場所
- 地上
- 得点条件
- 4点/6種類(青以外)のタイルセット1組
- ボーナス
- 「塔」1枚
6. 回廊
- 配置場所
- 地上 or 地下
- 得点条件
- 1点/周囲8マスの「?」タイル1枚
- ボーナス
- 「ホワイエ」1枚
7. 地下室
- 配置場所
- 地下
- 得点条件
- 1点/同じ列にある「?」タイル1枚
- ボーナス
- 「1」〜「6」の好きなボーナス
特殊部屋タイル(「噴水」「塔」「ホワイエ」)
特殊部屋タイルは3種類あり、それぞれボーナスによって獲得することができます。
それぞれの得点条件は以下の通りとなっています。
- 噴水:5点/1枚
- 塔:1点/同じ列にあるタイルの枚数1枚
- ホワイエ:1点/周囲8マスに配置したタイルの枚数1枚
『ふたつの城の物語』の得点計算
全2ラウンドが終わると得点計算を行います。タイル1枚ごとに得点を計算し、城の得点の合計値を算出します。
結果的に2つの城が完成するわけですが、より得点の低い城の得点が最終得点になります。
その後、最終得点の最も高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『ふたつの城の物語』のレビュー
ポイント
- 左右の城での得点バランスの取り方に悩む!
- タイルドラフトを活かした戦略が面白い!
- 最大7人までプレイ可能!なのにプレイ時間に変化がない!!
- 城を作ってる感覚は少し薄いかも?
- タイルの質は最高だけどアイコンが小さすぎる!
左右の城での得点バランスの取り方が悩ましい!
最終得点計算後、自分の得点になるのは得点の低い城という点は面白いと感じました。(『ふたつの街の物語』も同様)
2つある城をどちらも愛でなければいけず、常に最大得点化できるタイルを選んでいく必要があります。そういった点では、それぞれの城の得点獲得の方針をばらしつつも特化する必要があります。この辺は、お城マネジメント力(?)が求められます。
同色3枚目、5枚目のボーナスを狙いつつ城にあった得点条件のタイルを選択する悩ましさがあります。
タイルドラフトを活かした戦略が面白い!
現在どちらの城が高い得点であるのか。どのタイルを配置すると最大得点になるのかは、盤面を俯瞰して見る必要があります。
タイルドラフトによって回す先のプレイヤーは、敵ではなく仲間であるという点は非常に重要と言えるでしょう。ドラフトをおこなうゲームにおいて、残りのカードは相手の有利な方向に働く場合があるのでカットする(妨害する)などの戦略が必要ですが、そういった考えは不要であるというのは特徴的です。
つまり、隣との意思疎通を図りながら自分&隣で2枚のタイルを選択して最適なコンボを作り上げることが可能になるわけです。そういった視点も高得点獲得には必要不可欠であると感じました。
最大7人までプレイ可能!なのにプレイ時間に変化がない!!
最大7人まで同時にプレイできるという点も大きな特徴の1つです。
手番で行うアクションは、全プレイヤー同時に行うため何人でプレイしてもプレイ時間の変化はほぼないというのは非常に良い点かと思います。何人でプレイしてもそうなのですが、自分の両隣にある城以外は完全別世界ではあります。『世界の七不思議』なんかとその辺の感じは似ているかもしれません。
城を作ってる感覚は少し薄いかも?
本作の元ネタとなっている『ノイシュヴァンシュタイン城』は、大小様々な大きさの部屋を競り落としてタイルを配置していくことによって城をつくりあげていくゲームでした。あの間取りの大きさのちぐはぐ感をうまいように組みわ合わせて城を作るというところに醍醐味があったかなと思っています。
▲『ノイシュヴァンシュタイン城』のプレイイメージ
本作では部屋の種類が書かれているのみで、そちらと比べてしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれません。
それぞれのゲームにおける城の完成イメージとしては、『ノイシュヴァンシュタイン城』が上空から見た間取りを作るゲーム。『ふたつの城の物語』は縦方向に城を作り上げるゲームとなっているので『ノイシュヴァンシュタイン城』の感じをイメージしていると異なるので注意です。
タイルの質は最高だけどアイコンが小さすぎる!
タイルの表面もエンボスがかかっていて非常に高品質なタイルなのですが、各アイコンが小さすぎるというのは欠点かなと思います。
若いプレイヤー同士でしたら問題ないかと思いますが、老眼持ちの方は要注意かも。プレイする際に全体のタイルなどを見なくてはいけなので、視認性的な部分はイマイチかもしれません。
おわりに
今回は両隣のプレイヤーと協力して城を完成させるタイル配置ゲーム『ふたつの城の物語』をご紹介しました。
ベースシステムは『ふたつの街の物語』のものを使っているため、そちらが好きな方や【タイル配置ゲーム】【セットコレクションゲーム】がお好きな方は遊んでみるといいかと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!