ゲーム名 | エマラの王冠 (Crown of Emara) |
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デザイナー | Benjamin Schwer |
プレイ時間 | 45〜75分 |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 12歳以上 |
メーカー | ホビージャパン / Pegasus Spiele |
『エマラの王冠』ってどんなゲーム?
『エマラの王冠』は、王国の後継者となるために臣民の満足度を上げるワーカープレイスメントゲームです。
手番では3枚のカードを手札に加え、それを1枚場に出していきます。カードを場に出した際「移動アクション」と「カードアクション」を行うことができるので、資源の獲得と変換を繰り返しながら勝利点を多く獲得することを目指します。
2つのエリアで2つのアクションを駆使しながら2つの得点を伸ばしていくのが特徴です。
ソロプレイにも対応しているため1人練習することも可能です。Pegasus Spiele社は「独身の日」にソロプレイを勧めるツイートなども行なっていました。
Heute, zum Ehrentag der Singles, sorgen wir dafür, dass ihr auch alleine immer genug zum Spielen habt und verlosen ein Exemplar von CROWN OF EMARA, das gleich zwei Solo-Regelvarianten hat.
Schreibt uns bis 19.02. als Kommentar, welches unserer Spiele ihr am liebsten allein spielt pic.twitter.com/wu25UQkx4m— Pegasus Spiele (@pegasusspiele) February 15, 2019
『エマラの王冠』のストーリー
王冠を手にし、エマラ王国の後継者に!
小さな王国、エマラの平穏な時代。
賢王テドリウスの統治のもとで、戦争や反乱、その他の不都合なことは過去のものとなりました。
テドリウスは、やがては自分自身と同じくらいにエマラの臣民を慈しむという、
自らの意志を引き継いだ後継者を立てたいと考えています。
テドリウスとその助言者たちはすべての大望ある者たちの能力を試すため、実用的な課題を公布しました。
いつの日かテドリウスが退位したとき、最も多くの移住者を都に招いた者が次のエマラ王となる、と。
あなたは若く、前途有望で、そして大志を抱いている貴族です。
目前に迫ったこの課題の候補者として招待され、テドリウス王の好意とエマラの王冠を手にしようと狙っています。
幸い、テドリウスは2人の忠臣にあなたを支援するよう命じています。
彼らはあなたを導き、町と郊外の双方であなたの指示を実行する手助けをしてくれます。
あなたはこの課題に挑んで勝利を掴み、新たな王として賢王テドリウスの後継者となることができるでしょうか?
エマラの王冠があなたを待っています!
(引用:Amazon.co.jp)
ニコ
『エマラの王冠』の勝利条件
ゲーム終了時、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『エマラの王冠』の終了条件
全6ラウンドが終了するとゲームが終了します。
『エマラの王冠』の内容物
- “郊外”場所ボード 4枚
- “町”場所ボード 4枚
- 得点トラック 1枚
- プレイヤーボード 4枚
- 貴族ボード 1枚
- 本 16枚
- 印章指輪 12枚
- 金貨 12枚、
- 恩恵トークン 12枚
- パン 12枚
- 寄付マーカー 4枚
- 贈り物マーカー 4枚
- 臣民点用マーカー 2枚
- 彫像 1つ
- アクションカード 36枚、
- 貴族カード 20枚
- イベントカード 14枚
- 助言者カード 22枚
- 手番の概要カード 4枚
- 木材駒 11個
- 布駒 11個
- 穀物駒 11個
- 石材駒 11個
- 職人駒 16個
- 顧問官駒 8個
- 臣民駒 4個
- 建物駒 4個
- ルールブック 1冊
『エマラの王冠』のカードスリーブはミニユーロサイズ
『エマラの王冠』で使用するカードのサイズは、ミニユーロサイズ(45x68mm)です。
カードの表面にはエンボスなどの加工はなく、繰り返し個人の山札を循環するゲームなので、カードスリーブがあるとより良いかと思われます。
『エマラの王冠』ゲームの準備
『エマラの王冠』各プレイヤーの準備
各プレイヤーには「プレイヤーボード」「職人駒」「アクションカード」を配ります。
ゲームで使用するカードは、ゲーム開始時に配られる「アクションカード」9枚のみで個人の山札とします。
ゲーム中カードは増えず、9枚のカードをそれぞれ2回ずつ使用するとゲームが終了します。
『エマラの王冠』共通ボードの準備
場の中央には「“郊外”場所ボード」「“町”場所ボード」「得点トラック」「貴族ボード」を並べ、各ボード上にトークン類を配置します。
得点トラック
得点トラックでは、「臣民点」と「建物点」の2つの点を管理します。
▲ゲーム終了時の様子
ゲーム終了時、2つのうち低い方の点数がプレイヤーの勝利点となります。
『エマラの王冠』ゲームの流れ
ラウンド開始時に、山札からカードを3枚引いて手札にします。
その後、手番は以下の通りの流れで行います。
手札のカードを1枚個人ボードに配置します
個人ボードには3箇所のエリアがあり、カードの配置場所によって「移動アクション」における駒の移動するマス数が決まります。
カードの配置した場所による「移動アクション」とカードに書かれた「カードアクション」の2つを好きな順に行います。
A. 移動アクション
「郊外」と「町」のボードに配置されている駒を移動し、止まった場所でアクションを行います。
移動アクションにおける資源の支払いは、早いほど資源コストが低くゲームが進むにつれてコストが上がっていくようになっています。(タイルが時計回りに回転していく)
郊外
- 各エリアで「資源を獲得する」ことができます。
町:大聖堂
- 資源を支払って「本」と「恩恵トークン」を受け取ります。
町:城
- 資源を支払って「指輪」を受け取ります。
- 「本」を支払って「建物点」を獲得します。
町:市場
- 資源を支払って「金貨」を受け取ります。
- 「本」を支払って「臣民点」を獲得します。(臣民点は、本の冊数に応じて変化)
町:建設現場
- 「石」を支払って「建物点」と「臣民点」を獲得します
- 「パン」を支払って「臣民点」を獲得します。
- 「木」を支払って「建物点」を獲得します。
B. カードアクション
カードは、全9種類あり、それぞれ以下の通りとなっています。
- 資源の獲得:「木材」「布」「穀物」「石材」「印章指輪」を1つ獲得できます。
- 金貨の変換:資源1種類を「金貨1枚」に変換もしくは、資源3種類を「金貨2枚」に変換できます。
- 職人の雇用/助言者の雇用:資源を1つ少なく「職人の雇用」もしくは「助言者の雇用」を行えます。
- 「町」での移動:町ボード上の好きな場所へ駒を移動してその場所のアクションを行えます。
- 1歩移動:2つのボードの駒どちらか1つを1歩移動してその場所のアクションを行えます。
手番中、好きなタイミングで3種類の「ボーナスアクション」を行うことができます。
ボーナスアクションは3つあり、それぞれ手番で1回ずつ行うことができます。
爵位の向上
必要資源を支払い、「貴族カード」を獲得します。
「貴族カード」は全5種類あり、小さい順にカードを獲得していく必要があります。獲得時、臣民点を獲得します。
職人の雇用
必要資源を支払い、「職人駒」をボードに配置します。これにより、郊外でのアクションが1つ増えます。(例えば、「木」のエリアに職人駒1つがある場合は2個の「木」の獲得が可能になります。)
助言者の雇用
必要資源を支払い、「助言者カード」を獲得します。これにより、カードに書かれたボーナスを受け取ります。
ラウンドの終了と得点計算
3枚の手札をプレイするとラウンドが終了します。
これを全6ラウンドおこなうとゲームが終了します。
「臣民点」と「建物点」を比べて低い方の点数が最終勝利点となります。
『エマラの王冠』のレビュー
ポイント
- 2箇所の移動アクションと他プレイヤーの動きによって変化する戦略!
- 2種類の得点要素は、それぞれ異なった変換手段が必要!
- 職人の配置による資源獲得の効率化が重要!
- 経験による差が出やすい!
2箇所の移動アクションと他プレイヤーの動きによって変化する戦略!
このゲームの面白い点として、移動アクションする場所が2つ。得点が2つあるというところでしょう。この2つのバランスをいかに取っていくのかが楽しさにつながっていると感じました。
まず移動アクションにおいては、他プレイヤーとボード上の資源変換のレートだったり「職人駒」「助言者カード」の早取りにおいてインタラクションが発生します。
手持ちの資源と相談しながら、他プレイヤーの動きを見て手番でのアクション順などを考えながらゲームを進める点がに悩みます。
資源が1足りずに予定のアクションができなくなることなどもあるので、他プレイヤーの手持ち資源などにも気を配っておく必要があります。
2種類の得点要素は、それぞれ異なった変換手段が必要!
得点については、「臣民点」が「建物点」を下回った状態から開始します。そのため、まずは「臣民点」を上げていくことになります。
そしてボード上のアクションについても、「臣民点」の方が獲得しやすい作りになっています。そのため、常にもう一方の「建物点」を意識して狙ってく必要があります。
より詳細には「建物点」を獲得できるメインアクションは2段階の変換が必要な「本」と「パン」に設定されているという特徴があります。(資源⇨「本」「パン」⇨建物点)
つまり、資源を勝利点に変換する際の難易度に差ができているわけです。これによって、得点獲得メカニズムに深さを与えているように感じました。
職人の配置による資源獲得の効率化が重要!
ラウンド中にまわってくる3回の手番で、いかに効率よく資源を集めて変換するかが大きな課題となります。
効率化には、職人駒の存在が重要になってきます。職人をどの資源産出箇所に配置するのかが大きくゲームを左右します。
街での資源の変換コストは上昇傾向にあるため、ゲーム序盤で職人駒を配置して資源獲得の効率化を図ることは必要不可欠です。
各々がどこにこれらを配置するかによって、街での資源の勝利点変換戦略に大きく影響を及ぼスト感じました。
経験による差が出やすい!
中長期目標カードなどの指針が用意されているわけではないので、ゲーム開始時に何から取り掛かったら良いのかわからない感じはあるかと思います。
先に説明した資源獲得の効率化がゲーム全体に及ぼす影響が大きいため、この辺の戦略に関しての経験差は出やすいのかなと考えます。
おわりに
今回は王座を巡るロンデル式のワーカープレイスメントゲーム『エマラの王冠』をご紹介しました。新しいメカニクスを取り込みつつも、ユーロゲームな流れを汲んだ作品だと思います。
なんやかんや書いていますが、SPIEL’18の新作ゲームの中で唯一実際にプレイして購入したオススメの作品です。日本語版が出るこの機会に多くの方に遊んでいただきたい1作です!
最後までお読みいただきありがとうございました!