ゲーム名 | イムホテップ:デュエル (Imhotep: Das Duel) |
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デザイナー | Phil Walker-Harding |
プレイ人数 | 2人 |
プレイ時間 | 30分 |
対象年齢 | 10歳~ |
メーカー | KOSMOS |
SDJノミネート作『イムホテップ』を2人専用ゲームにリメイク!
『イムホテップ:デュエル』は、エジプトの建築家として「オベリスク」「ピラミッド」「寺院」「墓」の4種類の建物を建てていきより高い得点を獲得することを目指します。
手番では「ワーカーの配置」「船の出航」「特殊チップ」の使用のいずれかを行いタイルを獲得していくセットコレクションゲームです。
本作はドイツ年間ゲーム大賞2016にノミネートされた作品『イムホテップ』のシリーズ作で、単独で遊ぶことのできる2人専用ゲームとなっています。
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ゲームデザイナーは、フィルワーカーハーディン氏。『ジンジャーブレッドハウス』『クマ牧場』『ギズモ』などファミリーゲームを多く手がけています。
勝利条件
ゲーム終了時、得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
終了条件
船が残り1隻になるとゲームが終了します。
内容物
- ワーカー駒:8個 (4個x2色)
- プレイヤーボード:8枚 (4枚x2人)
- 船タイル:6枚
- 石タイル:60枚
- 説明書:1部
ゲームの準備
場の中央にゲームボードを配置し、6箇所に船タイルを配置。船タイルの上には、材料タイルを配置します。
各プレイヤーには4枚の建築物タイルと4つのワーカー駒を配置します。説明書には横並びにするように書かれていますが、写真が撮りにくいのでこんな感じに並べました。
ルール概要
手番では「ワーカーの配置」「船の出航」「特殊タイルの使用」の3種類のアクションのうちいずれか1つを行います。
ワーカーの配置
手持ちのワーカー駒をボード上の9つのエリアの空きスペースに配置します。
配置位置は「船の出航」を選択した際に獲得できるタイルに関係しています。
船の出航
ワーカー駒が2つ以上配置されている列/行の船を出航させます。
それぞれ上の写真のようにワーカー配置場所と対応しており、出航を選択した船に近いワーカーから奥につめていきそのタイルを獲得します。
上の写真の一番下の列を出航すると⬇️こんな感じになります。
出荷後、ワーカーは手元に戻り獲得したタイルは4種類の建物タイルの所定の位置に配置します。各建物タイルの説明は得点計算の説明にて。
特殊タイルの使用
ゲーム中獲得することのできる4種類のタイルは、次の手番以降で1アクションとして使用することができます。効果はそれぞれ以下の通り。
- 「ワーカの配置」x1 & 「船の出航」x2 (Max.)
- 「ワーカーの配置」x3 (Max.)
- 船から石タイルを獲得
- 船の石タイルの入れ替え
ゲームの終了と得点計算
出航していない船が1隻になるとゲームが終了します。船はタイルが補充できなくなると出航します。ゲームが終盤になると徐々に船が減っていきます。
ゲーム終了時、4種類の建物ごとに得点計算を行います。各建物の得点条件は「A」「B」の2つが用意されています。
オベリスク
オベリスクはタイルを1列に積み上げます。
- A:1点/枚&最大のプレイヤー6点
- B:6点/5枚&先に完成させたプレイヤー6点
ピラミッド
ピラミッドは、2箇所立てることができます。
- A:枚数に応じて得点
- B:枚数に応じて得点。ただし、より低いピラミッドが得点になる。
寺院
寺院タイルには1〜4の4種類のアイコンが書かれており、それを集めます。
- A:寺院のアイコンの数(1〜4)の合計値が得点
- B:寺院タイルの種類のセットに応じて得点
墓室
墓室タイルには1〜12のタイルがそれぞれ1枚ずつあり、それを集めます。
- A:連続する数字の枚数に応じて得点
- B:不連続の数字の組の数×4点
実際に遊んでみて
自分がいかに欲しいタイルを獲得しつつ、相手プレイヤーを牽制するかを考えるかが楽しいゲームでした。出荷するまで、タイルの獲得が確定しないため相手に出航のアクションを許してしまうことによって予定が崩れてしまったり不要なタイルを取らされてしまったりと2人用ゲームならではの競り合いが魅力です。
9つのマスにワーカーを配置するだけなのですが、船の奥にあるタイルは確定するが他の箇所はワーカーの配置次第なので、位置の価値としては最も右下が価値が高く左上にいくに従って不確定であると確率が増すという設計になっています。もちろん相手が出航を選択することによって2者択一の決定権は委ねられることになります。
とはいえ、あまり深く考えすぎず自分の欲しいタイルを狙っていき出航によるタイル獲得状況に合わせて戦略を修正していくという方法が妥当でしょう。2人用のあまり長くないゲームなので、長考せずにパッパと手を打っていくのが良いでしょう。
相手を妨害するアクションや出荷することによるお仕事感が「イムホテップ」ではありました。自分のアクションプロットに対して他プレイヤーのアクションが多く介在してくることによって、途中目立ってしまうとプロットがコントロールされてしまうということが多々あったわけですが、こちらは2人用であることによってアンコントーラブルな要素は軽減されて戦略がより反映されやすくなっていると感じました。
基本的なゲームシステムとしては、セットコレクションになります。4種類の得点要素を用意することでどこに重点を置くかというシンプルな悩ましさを作り出しています。得点条件も「A」「B」と用意されており、タイルの出方によって展開も変わってくるためリプレイアビリティーも高いです。
ネガティブな点を最後に上げておくと、得点計算の用紙がないことですね。これは別途自作してみようかなー。
フィルワーカーハーディン氏のゲームは、ゲームシステムに斬新さとかはあまりないのですが、複雑な処理があまりなく、それでいて程よくどちらを取るかの選択肢に悩ましさがあり、とても好きなゲームデザイナーです。あまりゲームをしない方にも勧めやすいファミリーゲームが多いという印象です。というわけでかなり個人の好みが出てますので悪しからず。
おわりに
今回は『イムホテップ』を2人専用にリメイクしたセットコレクションゲーム『イムホテップ:デュエル』をご紹介しました。
セットコレクションゲームがお好きな方、『イムホテップ』がお好きな方は遊んでみてはいかがでしょう。