ゲーム名 | 翡翠の商人 |
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ゲームデザイン | 西村裕 (スパ帝) |
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 20分 |
年齢 | 10歳~ |
メーカー | キュリオシティ / ゲーム工房スパ帝国 |
『翡翠の商人』ってどんなゲーム?
『翡翠の商人』は、商人として様々な商品を集めてお金を稼ぐ競りゲームです。
手番では、場に並んだカードから何枚のカードを獲得するかを宣言することで競りをおこないます。
獲得できる商品は5種類あり、それぞれ得点条件が異なり、より多くの得点の獲得を目指します。
「翡翠の商人」は入門用の競りゲームです。
競りの駆け引きを簡単なルールと短い時間に凝縮しました。
プレイヤーは隊商の長として翡翠や香辛料などの財宝カードを集めます。
それぞれの財宝には特別な得点計算ルールがあり、組み合わせによって価値が高くも低くもなります。
あるカードはあなたにとっては有益でも他のプレイヤーには無価値かも知れません。
巧みな分配で富を積み上げるのは誰でしょうか?
ゲームデザインは、『ナショナルエコノミー』『Not My Fault 〜俺のせいじゃない〜』などのスパ帝氏が手がけています。
『翡翠の商人』 の勝利条件
ゲーム終了時、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『翡翠の商人』 の終了条件
全7ラウンドを行うとゲームが終了します。
『翡翠の商人』 の内容物
- カード:56枚
- 説明書:1枚
『翡翠の商人』 のルール
手番では場に並んだ8枚のカードから何枚を欲しいかを宣言。
次のプレイヤーは、以下2つの選択肢のうち1つを選びます。
- 入札する
- パスする
これを1人以外のプレイヤーが「パスする」を選択するまで繰り返します。
入札する
入札する際、前のプレイヤーの宣言よりも少ない枚数を宣言する必要があります。
枚数の宣言は、以下のように競下げることができます。
「4枚」▶︎「4枚とって1枚返す」▶︎「3枚」▶︎「3枚とって1枚返す」….
「1枚返す」というのは、自分がすでに獲得したカードから好きなカードを1枚選んで場に戻すということになります。
「贋金カード」は場に戻すことができないので注意です。
カードの獲得
1人以外のプレイヤーが全員「パスする」を選択した場合、残ったプレイヤーが宣言した枚数を獲得します。
獲得したカードは、種類ごとにプレイヤーの手前に並べます。
ラウンドの終了
8枚のカードがなくなるとラウンド終了となる。
ゲームの終了
全7ラウンド繰り返し、ゲーム終了時に最も多くの得点を持っているプレイヤーがゲームの勝者となります。
『翡翠の商人』 のカード構成と得点
カードは全5種類あり、それぞれ得点方法が異なります。
金カード
カードに書かれた数字がそのまま得点になる。
- 金カード:8枚 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 各1枚)
贋金カード
カードに書かれた数字がそのまま得点になりますが、合計値が金カード≧贋金カードである必要があります。
つまり、金カード<贋金カードになる場合、得点は0点となります。
- 贋金カード:6枚 (2, 3, 4, 5, 6, 7)
翡翠カード
翡翠カードの枚数に応じて得点が入ります。枚数が多いほど得点が増えます。
1枚 | 2枚 | 3枚 | 4枚 | 5枚 | 6枚 | 7枚 | 8枚 | 9枚 | 10枚 | 11枚 | 12枚 |
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1点 | 3点 | 6点 | 10点 | 15点 | 21点 | 28点 | 36点 | 45点 | 55点 | 66点 | 78点 |
- 翡翠カード:12枚 (1×12)
香辛料カード
ゲーム終了時、持っている香辛料カードの合計値を比べ、その順位に応じて得点を獲得します。
- 1位:24点
- 2位:12点
- 3位:6点
- 香辛料カード:14枚 (1×4, 2×4, 3×3, 4×3)
書物カード
ゲーム終了時、5種類の書物カードの種類数のセットに応じて得点を獲得します。
- 5種類:20点
- 4種類:10点
- 3種類:5点
- 単品:1点
- 書物カード:16枚 (A~Ex3, Xx1)
『翡翠の商人』のレビュー
ポイント
良い点とネガティブな点をまとめるとこんな感じです。
- 獲得カード枚数宣言による競り!
- どの得点要素を狙うかの戦略の臨機応変さ!
- 枚数宣言での他プレイヤーとの睨み合い!
- 大人数ではかなり厳しい展開に
獲得カード枚数宣言による競り!
ゲームの根幹となる競り方式としては、ダッチオークションと呼ばれる競り下げ方式を採用しています。
通常競りゲームというとお金を出して何かを獲得するゲームが多い中で、本作ではお金の概念はなく欲しいカードの枚数を宣言することによってゲームが進みます。
手番では、「枚数を宣言する」か「パスする」かの2択のみであり、非常にシンプルな構成になっています。
セットコレクションの得点方法は多岐にわたっていますが、ゲーム説明は非常に簡単で公式のキャッチコピーのように競りゲームの経験があまりなくてもとっつきやすいゲームになっている印象を受けました。
どの得点要素を狙うのか
ゲームが進んでいく上で、各プレイヤーどの要素を狙うのかわかれていきます。
どの得点要素も非常に魅力的で、タイトルにもなっている「翡翠」や最大3セットつくるのが可能な「書物」は枚数を集めれば集める程高得点になりますが、動きが目立つので他プレイヤーからの妨害を受けやすいことも…
また、ラウンド開始時に登場するカードの出方によってとるべく戦略をつど練り直す必要があります。自分の持っているカードでいかに得点を最大化するかを考えるかが楽しく、他プレイヤーの戦略を考察しながら枚数宣言をしていく駆け引きが生まれます。
枚数宣言に頭を悩ませる!
何としても欲しいカードがある場合、確保するには同時獲得のカード枚数が減るというジレンマを抱えています。
枚数を下げすぎてしまうと他プレイヤーに多くの枚数がいってしまうため、自分の意図通りに戦略を進められる一方で他プレイヤーが有利な展開になってしまうことも。
お互いの場のカードを見ながら、どこで降りるのかどこまで枚数を下げるのかのせめぎ合いが発生し、非常に頭を悩ませます。
大人数ではかなり厳しい展開に
プレイ人数が増えると獲得できる1人あたりの枚数が減るため、枚数を多く集めると高得点になるカードの強さが弱くなります。
それと同時に、実際に宣言をする獲得枚数のレンジもかなり小さくなります。もちろん大きい数字も宣言できますが実質的に最初の宣言数は、8枚➗人数というのがセオリーになってくるため、宣言できる回数が減るということになります。
このゲームの魅力としては、どこまで相手が競り下げるのかのやりとりや、「翡翠」や「書物」などのセットコレクションを完成させた時に入る高得点などによる一発逆転要素などがあるため、最大人数の5人などでプレイする場合には魅力が少し失われてしまうように個人的には感じました。そんなこともあって、3人でのプレイあたりからはじめてみるのが良い気がしています。
おわりに
今回は、獲得したいカード枚数を宣言する競りゲーム『翡翠の商人』をご紹介しました。
ダッチオークション(競下げ式)のゲームがお好きな方や、セットコレクションゲームがお好きな方は是非プレイしてみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!!