ゲーム名 | プラハ 王国の首都 (Praga Caput Regni) |
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デザイナー | Vladimír Suchý |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 30~120分 |
対象年齢 | 12歳~ |
こんにちは、ニコです。
今回は2020年に遊んだ新作ゲーム中で面白かったゲームTop3のうちの1つ、『プラハ 王国の首都』の魅力をご紹介します!
回転するクレーンからのアクションタイル選択と複数の得点ルートの取捨選択などが悩ましいゲームです!!
『プラハ 王国の首都』はこんなゲーム
『プラハ 王国の首都』は、チャールズ4世統治下のプラハで王の支持を得るために街を拡大することを目指します。
回転するアクションクレーンからの「アクションタイル」選択し、「資源の獲得」「タイルの獲得&配置」「道の建設」などのアクションを行います。数あるパラメータの伸ばしていき、王への貢献度を競います。
『プラハ 王国の首都』は数寄ゲームズから日本語版発売!
デザイナーは、Vladimír Suchý氏。『パルサー2849』『アンダーウォーターシティーズ』の作者で、複数得点ルートとそれをどうやって獲得するかの散りばめるのかが得意なデザイナーです。
そして、『プラハ 王国の首都』は数寄ゲームズから日本語版が発売されています。
数寄ゲームズは来春「プラハ 王国の首都」を販売します。「アンダーウォーターシティーズ」のウラジミール・スヒーの手によるこの戦略ゲームは、メカニクスから作者の数ある諸作の文脈が伺えると共に、作者自身がプラハ在住ということもあって並々ならぬ熱意を注ぎ込まれたまさに集大成の一作です。 pic.twitter.com/qdJ7jtm5hV
— ホリケン/円卓P@GM秋/ト01両日 (@horiken0) October 22, 2020
『プラハ 王国の首都』は90分前後のゲーマーズゲーム好きにおすすめ!
アクション選択の悩ましさに加えて、得点戦略の多様性と早取りの他に陣取りのインタラクションなど要素が多く、90分前後のゲーマーズゲーム好きにおすすめのゲームです。
2020年に発売された新作ゲームを遊んだ中で、最高に面白かったTop3作品は『プラハ 王国の首都』『リネイチャー』『ウォーターゲート』だったのですが、その中でも一番面白いと思った作品。
なんだかとんでもない推し具合ですが、ここからはどんなルールなのかとおもしろポイントについて解説していきます。皆さんも最後まで読んで判断してみてください。
ニコ
『プラハ 王国の首都』のルール
手番は、全3ステップで進みます。
1. アクションタイルの選択
「アクションクレーン」から「アクションタイル」を1枚取得。
「アクションクレーン」の内側にはボーナスが書かれていて、外周に赤タペストリーがあれば追加で金を支払い、青タペストリーがあれば勝利点を獲得する。
手前のプレイヤーが使った「アクションタイル」を獲得するには追加で金を支払う必要があるが、選択されなかった「アクションタイル」には勝利点が追加されていく仕組み。
簡単にいえば「アクションタイル」の価値に傾斜がついているのですが、後ほど説明するゲームの魅力の1つになっています。
ニコ
2. アクションの実行
「アクションクレーン」に描かれたボーナスの獲得と「アクションタイル」に描かれたアクションの実行を行う。
「アクションタイル」には2種類のアクションが書かれているので、どちらか1つを選択します。
アクションは全6種類で、以下の通りとなっています。
- 「金」の生産
「金」を生産量分獲得、もしくは「金」を1つ獲得&生産量を+1する。 - 「石」の生産
「石」を生産量分獲得、もしくは「石」を1つ獲得&生産量を+1する。 - 「アクション」のアップグレード
タイルを獲得、6種類のアクションを強化。 - 「城壁」の建築
タイルを獲得、「城壁」を建築してボーナスを獲得。タイル辺のマークが揃えばボーナスを獲得。 - 「建物」の建築
タイルを獲得、「建物」を建築してボーナスを獲得。タイルの辺のマークが揃えばボーナスを獲得。 - 「道」の建築
道を進む、「道」を移動してボーナスを獲得。最終的には、プラハの名所「カレル橋」に到達。
資源(金・石)の生産
「金」「石」の資源の産出量は個人ボードのトラックで示していて、手持ち資源は個人ボードのホイールで管理します。
タイルの獲得
ゲームボード上には、「アクション」「城壁」「建物」の3種類のタイルが並んでいて、それぞれの特徴は以下の通り。
種類 | コスト | 特徴 |
---|---|---|
アクション | なし | 「大学」のトラックが進む |
城壁 | 主に「石」 | 主に「城」のトラックが進む |
建物 | 主に「金」 | 主に「大聖堂」のトラックが進む |
タイルは、種類に応じてそれぞれのエリアに配置。タイルに何か書いてあればそれをもらいます。
「城」「大聖堂」は立体になっていて、横方向に進んでいきます。
(フリーアクションで縦方向移動も可能)
「アクション」はメインアクションの書かれたボードの上に配置され、次アクションからそのアクションが強化される。
「城壁」はメインアクションの書かれたボードの周囲に配置され、アイコンが揃うとボーナスがもらえる。
道の建築
移動した先のマスで、資源を変換する系のアクションが発動。
最終エリアは「橋」で、ゲーム終了時のボーナスなんかも。
3. アクションタイルの返却
最後に「アクションクレーン」を1つ時計回り方向に回して、時計の12時の位置に「アクションタイル」に戻します。
これで手番が終了し、次のプレイヤーの手番になります。
「アクションクレーン」は、「アクションタイル」の価値の傾斜をつける役割と「アクション」と「ボーナス」の組み合わせを変える2つの役割を果たしているんです!
ニコ
『プラハ 王国の首都』の得点計算
得点は主にゲーム終了時に入るのですが、ルートとしては主に6種類となっています。
- 「建物タイル」周囲の得点
(※上述のマジョリティ争いするやつ) - アカデミーの得点
「本」×「大学」・・・個人ボードの右2列のトラック - 「城」「大聖堂」の得点
「城」「大聖堂」の進んだ列の得点×同色のチップの数、「城」「大聖堂」の進んだ行の得点 - 「城壁」の得点
配置枚数に応じて得点 - 「ボーナスタイル」の得点
橋の最終エリアで獲得できる「ボーナスタイル」に応じた得点 - 「卵」の得点
獲得数に応じて得点
『プラハ 王国の首都』のレビュー
何をしても得点につながって楽しい!
まず最初に『プラハ 王国の首都』の魅力として感じたのは、何をしても得点につながるという点です。
とはいえ、複数ある得点ルートに関してはどこにフォーカスしてやりきるかを割り切る必要があるんです。プレイ中は、選択肢た得点ルートでのMAX点をいかに取っていくかに集中してプレイできます。MAXまでいかないと点が伸びきらないという設計になっているので、ここの取捨選択が大変悩ましく面白いです。
それをわかりやすく示しているのが得点の掛け算の部分。
- 「技術」×「大学」
- 「城」×「青チップ」
- 「大聖堂」×「赤チップ」
6つパラメータがある中で、どこを伸ばしていくかということになります。
ゲーム終了時の掛け算が大目標とすると、各パラメーターにはボーナス獲得による小・中目標がマイルストーンが示されています。要素が多くて迷う中、小目標をいくつか効率的な達成を目指すことで指針が立てやすくなっています。
得点の掛け算が簡単に伸びないので取捨選択が必要で悩ましい!
「掛け算の2つのパラメーターを特化して伸ばそう!」と一見思うのですが、そうはさせてくれないのがこのゲーム。
「城壁」を建てると「城」が進むが、もらえるのは「赤チップ」。「建物」を建てると「大聖堂」が進むが、もらえるのは「青チップ」。つまり、掛け算が簡単にはいかないデザインになっているんです。
同じアクションを打つことはできるけれど、得点が伸びないというジレンマに。どこに意識を向けてボーナスなどの資源を投資するかの戦略が問われ、超悩ましくて痺れます。
そんな感じなので、意図した通りパラメータ掛け算の最大値を出せると気持ちいいです。ゲームとしては、全パラメータを伸ばせずに終わるので、今度はあれとあれを組み合わせてみようという気持ちにさせてくれます。
アクションクレーンの選択の悩ましさとインタラクションが最高!
先の説明で、「アクションクレーン」の役割の1つに価値の傾斜をつける役割があると説明しました。
必要資源が無限にあれば、手番では全てのアクションを選択することができます。しかし、実際には手持ち資源がなくてアクションが絞られたり、不人気のアクションに得点が上乗せされプレイヤーを悩ませます。
「アクションクレーン」の左側にいくほど、多く勝利点がもらえるわけです。自分のやりたいアクションの優先度とボーナスの勝利点を天秤にかけることが多々発生します。
他プレイヤーが残した位の不人気アクションなのですが、場合によって多くの勝利点獲得(最大5点)できるわけです。そして、選択しないと次のプレイヤーが得点を獲得してしまう悩ましさがあり良いインタラクションを作っていると感じました。
冒頭で、何をやっても得点が入る。と言いましたが、ゲーム終了時のトップと2位の差はわずか数点でした。なので、不人気アクションから獲得できる得点は重要なのです。
ゲーム終盤の得点タイルガチャは引きが勝敗を握る場合も…
ネガティブな点としては、ゲーム終了時に加点される「得点タイル」です。
何をしても得点が入るので、遊んだ限りではお互いが数点開くくらいの僅差でした。なので、「得点タイル」が今までの自分の選択とハマるものがあれば良いですがハマらなかった場合は痛手になります。
3枚引いて1枚選択なので、どれかピッタリハマるものが選べるようになっているのかもしれませんが、ゲーム終盤で引けることになるのでハマらなかった場合はかなり悔しいかもしれないなと感じた次第です。
『プラハ 王国の首都』のまとめ
今回は、『プラハ 王国の首都』をご紹介しました。冒頭で紹介した通り、90分前後のゲーマーズゲームが好きな人におすすめです。
⭕️:得点の掛け算が簡単に伸びないので取捨選択が必要で悩ましい!
⭕️:アクションクレーンの選択の悩ましさとインタラクションが最高!
❌:ゲーム終盤の得点タイルガチャは引きが勝敗を握る場合も…
『プラハ 王国の首都』のゲーム情報
ゲーム名 | プラハ 王国の首都 (Praga Caput Regni) |
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デザイナー | Vladimír Suchý |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 30~120分 |
対象年齢 | 12歳~ |