ゲーム名 | アルナックの失われし遺跡 (Lost ruins of ARNAK) |
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デザイナー | Mín & Elwen |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 12歳~ |
プレイ時間 | 30分/人 |
版元 | Czech Games Edition |
販売 | ホビージャパン |
こんにちは、ニコです。先日下記のTweetをしました。
最近アルナックを頻繁にプレイしていて、ここ数年で一番のリプレイ回数。拡張も楽しみ〜✨ pic.twitter.com/uSUY1M8UR1
— ニコ (@ikoan_kfa) April 22, 2021
色々な新作を試したい性格で、同じゲームを繰り返し遊ぶ機会が少ない私が10回以上も遊んでいるゲームが「アルナックの失われし遺跡」です。
結論から言うと、90分級のゲームが好きなら買いです。何度も繰り返し遊べる最高のゲームなので、ルール概要を説明した上でその魅力をお伝えします!!
「アルナックの失われし遺跡」はこんなゲーム
「アルナックの失われし遺跡」は探検家となって、未開の島アルナックを探検するゲームです。
手番では、「探検」「研究」「遺物/道具の獲得」の3種類のアクションを軸に得点を獲得します。
「探検」では探検家駒を配置して資源の獲得や新しい土地を発見、「研究」ではトラックを進め、「遺物/道具の獲得」では、新たなカードを獲得。
ワーカープレイスメント、すごろく、デッキ構築の3つの要素がうまく組み合わさったゲームです!
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2021に「アルナックの失われし遺跡」がノミネート
2021/5/17に発表された「ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2021(Kennerspiel des Jahres)」のノミネート作品に『アルナックの失われし遺跡』が選ばれています。
Nominiert für das Kennerspiel des Jahres: Die verlorenen Ruinen von Arnak von Mín und Elwen @czechgames, Fantastische Reiche von Bruce Glassco @StrohmannG, Paleo von @PeterRustemeyer #KeSdJ pic.twitter.com/F36NOt6j73
— Spiel des Jahres (@SpieldesJahres) May 17, 2021
拡張セット発売も決定!ソロプレイ用シナリオも配布予定
「アルナックの失われし遺跡」の拡張セットを発売することが版元のCzech Games Editionから発表されています。
Thanks, the expansion and the estimated date of release will be announced in Spring this year. Wish us luck with the development and challenges lying ahead.
— Czech Games Edition (@czechgames) March 10, 2021
さらに、本体同梱のソロプレイ用ルールに加えてシナリオの配信も予定されています。
参考
Solo CampaignCzech Games Edition
アルナックの失われし遺跡の【準備】
ゲームボードを配置。
ゲームボードは3つのエリアに別れていて、エリア毎に「探検」「研究」「遺物/道具の獲得」の3種類のアクションに分かれています。
各プレイヤーは、「探検家駒x2」「初期カードx6」「初期資源」を受け取って準備完了です。
アルナックの失われし遺跡の【ルール】
手番では7種類のアクションの中から1つ選びます。各アクションは以下の通り。
- 場所を発掘する
- 新たな場所を発見する
- 守護者を撃退する
- カードを購入する
- カードをプレイする
- 研究する
- パス
すべてのプレイヤーが「パス」するとラウンドが終了。これを5ラウンド行います。
探検
1. 場所を発掘する
配置コストを支払って、個人ボードにある考古学者駒を配置。そのエリアに書かれた資源を獲得します。
2. 新たな場所を発見する
配置コストを支払って、未開拓の土地へ考古学者駒を配置。
場にある「偶像タイル」を獲得。配置した際に登場する「場所タイル」の資源を獲得。その後、「守護者タイル」が登場。
3. 守護者を撃退する
新たな場所発見時に登場した守護者は、必要な資源を支払うことで撃退することができる。
撃退すると「守護者タイル」の右上の効果を1回使える他、ゲーム終了時に5勝利点に。
遺物/道具の獲得
4. カードを購入する
「遺物」「道具」の2種類のカードを購入することができる。
- 遺物:「方位磁針」を支払って獲得。獲得後、効果を即時発動。
- 道具:「コイン」を支払って獲得。獲得後、山札の一番下へ。
ラウンドが進むにつれ、配置される2種類のカード枚数が変化。
1ラウンド目は、「遺物」1枚・「道具」5枚。5ラウンド目では、「遺物」5枚・「道具」1枚になる。
5. カードをプレイする
カード効果を適用する。
※稲妻マークが書かれているカードは、フリーアクション。
研究
6. 研究する
研究トラックの進む先の資源を支払い進むことができる。研究トラックの駒は「手帳」と「拡大鏡」の2つで到達箇所に応じて「資源」や「助手」のボーナスがもらえる。
最終地点まで到達すると資源を支払うことで「寺院タイル」を獲得。勝利点になる。
ゲームの終了と得点計算
全プレイヤーが「パス」するまで手番を行い、全5ラウンドが終了するとゲームが終了。
以下の得点を合計し、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
- 研究
- 寺院タイル
- 個人ボードと偶像タイル
- 守護者タイル
- 遺物/道具カード
- 恐怖カード
アルナックの失われし遺跡の【レビュー】
探検のドキドキ感の演出&コンポーネントが最高!
テーマである探検のドキドキ感を「新たな場所を発見する」で演出している。
雑に表現すると“資源ガチャ”で、欲しい資源が出るかどうかわからない。その代わり、このアクションを行うことのメリットがきちんと示されている。
ご褒美には、「偶像」と「モンスター退治の権利」の2つが用意され、レベル1のエリアでは合計で8点分の価値になる。ゲーム中の価値としては高く、運の要素をどう戦略に取り込むかが問われる。
また、ゲームに登場する資源コンポーネントも探検を演出する重要な要素となっている。「宝石」「矢じり」「石板」は、ついつい触りたくなる独自の造形で最高だ。
「テラフォーミング・マーズ」のように、個人ボード上に資源トラックを作ってその上のキューブのパラメーターで管理するという手法も取れたはず。
そうではなく、あえてコンポーネントを用いることで資源を獲得した時の嬉しさを演出しているように感じた。
短期目標が明示されていて、戦略が立てやすい!
ゲームにおける短期目標の役目を「研究トラック」が担っている。どの資源を集めれけば、先に「手帳」「拡大鏡」の2つを進めることができるかが明示されている。
移動先で獲得できる資源もあり、研究トラックを進めることで少し足りない資源を補う役割も果たしている。
2種の駒があり、到達ボーナスが異なるためそれぞれをどのようなバランスで進めていくかも各プレイヤーの戦略が出る部分でもある。
トラックは単純な1本道ではなく、複数の選択肢が示されている。そのため、手持ちのカードなどに応じて道の選択ができるのは良い。短期目標が多く示されることでプレイしやすいと感じた。
この手法は、「プラハ 王国の首都」や「メルフ」でも用いられている。“盤面すごろく”でマイルストーンを示すのはトレンドなのかもしれない。
3つのエリアそれぞれでインタラクションがある!
「探検」「研究」「遺物/道具の獲得」の各3つのエリアで、それぞれ「場所の早取り」「到達ボーナスの早取り」「カードの早取り」によるインタラクションが用意されている。
個人ボード上の偶像によるフリーアクションなどによって、必要資源の帳尻を合わせることができるので資源さえあればいくらでもアクションができ、比較的自由度は高い。多くの選択肢がある中で、どのアクションをどの順番で打つかについての決定要素に各エリアでの早取りが効いている。
自分が早取りしたいアクションと相手の残り資源を見ながら、アクションの優先順位を決めることができる。
他人の個人ボードを見ずに資源をこねくり回すゲームよりも程よく相手の盤面をみるゲームの方が好みなこともあり、好きな要素の1つだ。
カード配分が変化するシステムが新しい!
「遺物カード」と「道具カード」の配分バランスが変化するのが、このゲームの特徴の1つだ。
「遺物カード」が強いカード・「道具カード」を弱いカードとした場合に、それぞれの配分を変化させることで場のカードの強さに傾斜がつくようになっている。
カード効果を用いるゲームの仕組みでは、「カードの強弱がラウンド毎で分かれているもの(後ラウンドほどカードが強くなる)」と「カードの強弱関係なく均等な出現確率のもの」の2種類が主流だ。
本作で用いられているシステムは、そのどちらの特徴も併せもったハイブリッドなシステムになっていて新しいと感じた。
カードとマップの組み合わせで繰り返し遊べる!
序盤のラウンドで取るほど活用機会が増えるため、カードとしての価値が高いが獲得のハードルは高い。
どのカードを獲得するかがゲーム全体の戦略に大きく影響するため、同じマップでもプレイするたびに毎回違った組み立て方ができるのが面白い。
さらにマップも裏面にもう1種用意されていて、違ったマイルストーンが置かれている。繰り返しのプレイでも飽きが来ない事は請け合いだ。
超偏った戦略は取れない!探検家駒も増えない!
全体としてアクションの自由度は高いが、勝つためには3種のエリアでのアクションをそれぞれを行う必要がある。
例えば、カードの購入だけや研究トラックだけなどの極端な戦略を取ることは難しいので、偏ったプレイングが好きな人には向かないかもしれないと感じた。
とはいえ、3種の中でどこに得点源の軸足を置くかという戦略は取ることができる。「遺物カード」「道具カード」は、各アクションのどこかに作用するかを示しているので、それらの効果をいかに活用するの戦略が楽しい。
ワーカープレイスメントの要素があるが、ゲーム中使用できる探検家駒は2つのみ。基本的には資源産出に用いられるが、下位資源はカード効果で結果的に代用される。これが結果的に2つのみの探検家駒でゲームが成り立つ結果をもたらしている。
序盤こそ場所の取り合いになるが、新たな場所の発見によってワーカーの配置エリアが広がっていくことで熾烈な場所取りは軽減される。
ワーカープレイスメントの醍醐味である場所の取り合いを楽しみたい方は肩透かしを受けるかもしれない。
アルナックの失われし遺跡の【まとめ】
今回は90分級の探検ゲーム、『アルナックの失われし遺跡』の魅力をご紹介しました!レビューのポイントをまとめると以下の通り。
⭕️:短期目標が明示されていて、戦略が立てやすい!
⭕️:3つのエリアそれぞれでインタラクションがある!
⭕️:カード配分が変化するシステムが新しい!
⭕️:カードとマップの組み合わせで繰り返し遊べる!
❌:超偏った戦略は取れない!探検家駒も増えない!
コンポーネントの造形だけでなく、ゲームボードのプレイアビリティも細かく配慮されていてストレスなく遊べるのが素晴らしいゲームです。
あまり繰り返し同じゲームを遊ぶことがない私が、10回も遊んでいる超おすすめゲームなので見かけたらマストバイです。(※記事執筆時点で店舗に在庫がなく、プレ値になっているのでご注意ください。)
オンラインでボードゲームが遊べるサイトBoard Game Arenaで無料で遊べるので、気になった方はまずはそちらで遊んでみてください!!
ゲーム名 | アルナックの失われし遺跡 (Lost ruins of ARNAK) |
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デザイナー | Mín & Elwen |
プレイ人数 | 1~4人 |
対象年齢 | 12歳~ |
プレイ時間 | 30分/人 |
版元 | Czech Games Edition |
販売 | ホビージャパン |