ゲーム名 | マスター・オブ・ルネッサンス (Master of Reneaisssance) |
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作者 | Simone Luciani Nestore Mangone |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 60分 |
対象年齢 | 14歳~ |
出版社 | テンデイズゲームズ Clanio Creations |
『マスター・オブ・ルネッサンス』の概要
『マスター・オブ・ルネッサンス』は、フィレンツェの有力者となりさまざまな資源を獲得&変換ししてより高い得点を獲得することを目指すエンジンビルディングゲームです。
Clanio Creationsの過去作『ロレンツォ・イル・マニフィーコ』と同じ世界観のゲームとなっており、手番では「資源の獲得」「カードの獲得」「カード効果の使用」などのアクションをおこなってより効率的な資源獲得〜得点獲得のループを最大化していきます。
ゲームデザイナーは、シモーネ・ルチアーニ氏とネストーレ・マンゴネ氏のコンビ。代表作に『ニュートン』などがあります。
ゲーム紹介『ロレンツォ・イル・マニーフィコ(Lorenzo il magnifico)』
『マスター・オブ・ルネッサンス 日本語版』はテンデイズゲームズから発売!
『マスター・オブ・ルネッサンス 日本語版』はテンデイズゲームズから出版されており、2020年5月末から流通しています。
テンデイズゲームズブログでも詳細なゲーム紹介がされています。
参考
ゲーム紹介:マスター・オブ・ルネッサンス-ルネッサンスの偉人たちテンデイズゲームズブログ
『マスター・オブ・ルネッサンス』のルール
ゲーム準備
各プレイヤーに「個人ボード」と「リーダーカード」を配ります。「リーダーカード」には、ゲーム終了時の追加得点と追加能力が書かれています。
場の中央には、「市場ボード&トレイ」と「開発カード」を配置します。
「開発カード」は、全4色でそれぞれ3つのレベル(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)が設定されています。
勝利条件
ゲーム終了時、最も得点の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
終了条件
ゲームは、2つの終了条件のうちどちらかを満たしたあと、各プレイヤーが均等に手番を行なうとゲームが終了します。
- いずれかのプレイヤーが、宗教トラックの最後のスペースに到達する。
- いずれかのプレイヤーが、7つ目の開発カードを獲得する。
手番でやること
手番では「資源の獲得」「カードの獲得」「カード効果の使用」の3つのアクションのうち1つを選んで実行します。
1. 資源の獲得
「市場ボード&トレイ」の7箇所のうち1箇所を選んで、球を押し出します。
押し出されることによって決まった球の色に応じて資源を獲得します。
その後獲得した資源は、個人ボードの「資源エリア①」に格納されます。「資源エリア①」は3つの段に分かれていて以下のルールがあります。
- 同じ段には同じ種類の資源しか配置できない
- 異なる段に同じ種類の資源を配置できない
※資源がはみ出てしまった場合は他のプレイヤーの「宗教トラック」が1上がる
2. カードの獲得
資源エリア①&②にある資源を支払って、場に並んだ「開発カード」を獲得します。
「開発カード」は3レベルあり、Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの順でカードを積み重ねて個人ボードに配置する必要があります。
3. カード効果の使用
個人ボードに配置した「開発カード」の効果を使用します。「開発カード」には資源変換の効果が書かれており、資源エリア①&②から資源を支払って資源を変換します。
「開発カード」は最大3種類配置することができ、同時に全ての資源を支払うことができれば全て効果を使用できます。
カード効果によって変換された資源は、個人ボードの資源エリア②に配置されます。
決算について
個人ボードの「宗教トラック」には決算エリアが3つ用意されており、枠で囲われた各決算エリアの最右のエリアにいずれかのプレイヤーが到達すると決算が発生。
その時に決算エリア内にいるプレイヤーは、追加得点を獲得できます。
決算エリア③はゲーム終了条件のうちの1つにもなっています。
これをゲーム終了条件を満たすまで繰り返します。
得点は「宗教トラック」「開発カード」「リーダーカード」から獲得することができ、得点の最も高いプレイヤーがゲームに勝利します。
『マスター・オブ・ルネッサンス』のレビュー
アクションの需要変化が面白い!
最初から最後まで手番でできるのは3つのアクションだけなのですが、ゲームの進行に応じてどのアクションを多く打つかが変化していくのが面白いと感じました。
ゲーム序盤は「資源の獲得」のアクション回数が多いのですが、ゲームが進むと「カードの購入」を経て「カード効果の使用」が成長していきます。
資源エリアと開発カードによる制約によって発散しすぎないエンジンビルドを演出!
このアクション変化の大きな役割を担っているのが資源エリア①の上限と開発カードです。これら2つの制約がゲームの深みを演出しているとに感じました。
エンジンビルド系のゲームでは、資源変換の種類が広がり色々なことができるようになって発散していくというのが定番ですが、「マスター・オブ・ルネッサンス」では、先に紹介した2つの要素が拡大一方のアクションを縛っているのが特徴です。
資源エリア①では格納に制約があるため、何でも多く取っておけば良いわけではなく、欲張って取ってしまうとペナルティを受けます。その制約は資源エリア②へ資源を移動する必要性を示しており、開発カード購入に必然性を持たせています。
3つしかない変換で何を選ぶのか選べるのかの面白さ!
資源変換による拡大再生産の要となる開発カードも、同時に3つまでしか持つことができないという制約を持っています。
そして開発カードのレベルを上げると、変換能力は強くなるが上書きしなければいけないため、今までできた変換ができなくなるというジレンマを抱えています。
変換において多くの場所を見る必要がなく、集中できるメリットがある一方で、カード選択に悩ましさを演出。そして、より効果的な開発カードの選択が勝利には必要になってきます。
ニコ
ゲーム終盤、うまくエンジンを構築することができれば、ほぼ「資源の獲得」のアクションを選ばずに開発カードの効果によって賄うことも可能になってきます。
球&カードめくり運が影響を及ぼす!なので他プレイヤーもよく見ておこう!!
手番が回ってきた時の資源獲得の球並びと開発カードのめくりは、大きく戦略に影響します。
先に述べたとおり資源エリア①には上限があり、最大6個の資源を貯めれる手を打てるのがベストでしょう。しかし、それを実現できるかは「球の並び次第」なので手前の手番プレイヤーの動きは大きく自分の戦略へ影響します。
開発カードについての資源要求は、レベルが上がるほど同時に多くの資源を要求してきます。一方で早いもの勝ちで獲得という理不尽さを持っています。(開発カードの予約を行えれば良いのですが、このゲームにそんな甘っちょろい(?)システムはありません。)
固めて資源を集めていても途中で他プレイヤーにカードを取られてしまうことで大きくロスしてしまう場合なんかも発生します。なので、欲しいカードが取られないかとてもドキドキします。
万が一取られてしまって、その後出たカードの資源要求が自分の手持ち資源&資源変換と全然噛み合わないことなんかがありうるので、めくり運による影響は大きいと言っても良いかと思います。
エンジンビルド系のゲームにおいては、ついつい自分の資源とにらめっこしながらどうこねくり回すかに注力しがちですが、「マスター・オブ・ルネッサンス」においては他プレイヤーの建築カードの狙いなども見ておく必要や宗教トラックでの失点もありインタラクションが強くソロプレイ感はあまり感じません。
ちなみに、ロレンツォ感はあまり感じませんでした。
『マスター・オブ・ルネッサンス』のまとめ
今回は、エンジンビルド拡大再生産ゲーム『マスター・オブ・ルネッサンス』をご紹介しました。
『ギズモ』などのエンジンビルド系ゲームがお好きな方にはオススメですし。資源変換系の拡大再生産がお好きな方にも是非遊んでいただきたい1作です。
⭕️:エンジンビルドだけど発散しすぎない!
⭕️:3つだけのエンジンをどう構築するかが楽しい!
❌:球運&カードのめくり運の影響大!
ちなみに、2020年上期に初めて遊んだゲームの中でのベストゲームでした。ここまでお読みいただきありがとうございました!