ゲーム名 | ブラックアウト香港 (Blackout: Hong Kong) |
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ゲームデザイン | Alexander Pfister |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 75~150分 |
対象年齢 | 14歳以上 |
メーカー | eggertspiele |
『ブラックアウト香港』ってどんなゲーム?
『ブラックアウト香港』は、大停電に見舞われた香港が舞台。秩序を回復するため、ネットワークを構築しその土地での影響力を拡大します。
プレイヤーは、手札カードでアクションを選択し資源を獲得。その獲得した資源などを使って香港の各地に自分の駒を配置します。
ゲームデザイナーは、『モンバサ』や『グレート・ウエスタン・トレイル』を手がけたアレクサンダー・プフィシュター氏による重量級ゲームとなっています。
勝利条件
ゲーム終了時、勝利点の最も高いプレイヤーが勝者となります。
終了条件
カードの山札がつきた次のラウンドが終わるとゲームが終了します。
内容物
- ゲームボード:1枚
- プレイヤーボード:4枚
- カード:136枚
- ダイス:3個
- スタートプレイヤーマーカー:1個
- 保護区域マーカー:20個
- 木製キューブ:100個
- スカウトタイル:48枚
- スコアディスク:4枚
- コイン:50枚
- トランスポートトークン:24個
- ロックマーカー:4個
- GPSトークン:12枚
- 0-6マーカー:4枚
- ルールブック:1冊
ゲームの準備
各プレイヤーに個人ボードと初期手札カードを配ります。
初期手札は、全7枚。カードは「赤」「黄」「青」「紫」の4色で構成されており、「赤」「黄」「青」は資源を獲得、「紫」は資源を変換する役割を果たします。
ゲームは、3枚のカードを個人ボードの「カードプレイエリア」に置いた状態から開始します。
少し強い2枚のカードは「急病者エリア」に配置されており、急病者を救うアクションカードによって手札に加えることができます。
カードアイコンの説明
カードには「カード効果」「勝利点」「GPSアイコン」が書かれています。
ニコ
ルール概要
手番は、ゲームボードに書かれている8つのSTEPを順におこなっていきます。
スタートプレイヤーは、3つのダイスを振ります。この出目が、このラウンドで獲得できる資源になります。
それを確認し、手札から個人ボードにカードを裏面配置します。初期時3枚、最大4枚まで配置することができます。
配置したカードを表向きにし、そのカード効果を順に配置します。
個人ボードにあるアイコンの資源を支払ってアクションを行います。
上の写真の場合、左側のカードは「水」と「ポリタンク」を支払うと青色のマスにキューブを配置。右側のカードは「本」と「水」を支払うと黄色のマスにキューブを配置します。
条件を達成すると、そのカードは手札になって次のラウンド以降手札として使用することができます。
ボード上に配置した自分の駒に隣接したエリアにあるチップを表向きにし、GPSアイコンの数が条件を達成するかを比べます。
STEP.1で配置したカードのGPSアイコンの数と、手札カードのGPSアイコンの数を合計してチップの示すGPSアイコンの数を越えれば達成になります。ただし、手札から出した場合はランダムに1枚のカードが「急病者エリア」へいってしまいます。
達成すると、ボード上のエリアに駒を配置することができ、チップに示されている特典を獲得します。チップは種類によってゲーム終了時の勝利点になります。
場に並んだカードを購入します。横の列に何枚カードがあるかによってコストが変動します。
- 3枚:4金
- 2枚:3金
- 1枚:2金
すべてのプレイヤーがパスするまで購入のアクションは続きます。(ストックできるのは最大3枚)
購入できるカードには、初期手札にはないバインダーに書かれたカードもあり、こちらは条件を達成すると「チェックマークアクション」の永続効果になります。
「ご飯」と「水」は次のラウンドに持ち越すことができないため、お金に変換します。
そして、場に並んだカードの一番右のカードを廃棄します。(列にカードがなくなったら新たに補充)
ゲームボード上のエリアを全て囲うと決算が発生し。該当エリアに配置した駒の数に応じて以下の勝利点を得ます。
- 7個:14点
- 6個:10点
- 5個:7点
- 4個:5点
- 3個:3点
- 1~2個:2点
この時、全て囲った人とそのエリアに駒を置いている全てのプレイヤーが勝利点を獲得します。
全て囲ったプレイヤーは、個人ボードの家駒をゲームボードに配置することができ、これによって個人ボードにあるチェックマークアクションが解放されます。
手札が0~4枚であれば、3列のうち1列のカードを全て回収し手札に戻します。
その後、ゲームボードなどに書かれたチェックマークの書かれた通り資源変換をおこないます。
このSTEP1~8をゲーム終了条件を満たすまで繰り返しおこないます。
▲ゲーム中盤の様子
最初は、なかなか資源が手に入らないのですが手札のカードが強くなるにつれ資源も潤沢になっていきます。
得点計算
以下の得点を合計し、現在の得点に加算。合計値の最も多いプレイヤーがゲームに勝利します。
- 資源:1金/1個
- 勝利点:1点/5金
- 手札カードに書かれた勝利点の合計値
- スカウトアクションタイルの種類の合計による勝利点
実際に遊んでみて
- 得点要素盛りだくさん!
- 短いダウンタイム!
- ネットワーク構築とカードデッキ構築が楽しい!
全体を通して得点要素が満載のゲームです。ネットワーク構築、デッキ構築による勝利点を中心にスカウトアクションでのセットコレクションなどあらゆるアクションが得点に繋がります。なので、STEP1~8の間で無駄うちすることがないように資源やお金をコントロールする必要があります。
ゲーム全体としては、長時間かかるゲームなのですがダウンタイムが非常に短いです。というのも各STEP毎に小さく1つのアクションをおこなっていくためです。次のアクションをどうしようかということを考えるのにちょうど良いダウンタイムであると感じました。
得点要素が盛り盛りの中で、やはり中心は盤面のネットワーク構築になります。ここを最適化するために、どのようなカードデッキを構築していくかを考えるのが楽しかったです。
ネットワーク構築の悩ましさ!
ネットワーク構築においては、「STEP3.コストの支払い」と「STEP4.スカウト」の2つのアクションによって配置することができ、手番でこの2つの両方でキューブを配置するべきでしょう。
とはいえ、序盤は手札カードが減ってしまうこともあるためカードが潤沢ではない状態ではどこまでリスクを取らずにGPSチップで代用したりと時々の判断が必要になります。
エリア争いにおいては、囲って個人ボードの「チェックアクション」を解放することも大事ですが、他プレイヤーにいかに相乗りして得点を得るかというのも重要になります。なので、大きい囲いの場所は得点のチャンスが増えるため相対的に価値の高い場所になります。なので、どのエリアを狙っていくかの戦略も重要になります。
『モンバサ』『グレート・ウエスタン・トレイル』の流れを汲むメインアクション
ゲームの核をなすカードアクションプロットについては、アレクサンダー・プフィシュター氏の過去作『モンバサ』『グレート・ウエスタン・トレイル』でのカードを増やしつつ複数列にカードプロットをするメカニクスを使っています。
強いカードを手札や場札に加えることにより勝利点が増えつつ、獲得できる資源が増える拡大再生産要素を含んでいます。
手札の回収は1列ずつとなっているため、残り手札を考えながらどのカードをどの列に配置するかもきちんと考えなければいけません。
- ゲーム全体としてやや長い!
あえて挙げるとするとゲームの長さでしょうか。カードの山札がなくなることで終了トリガに以降するわけですが、初回のプレイではあまりカードが買われなかったためボード状の全てのエリアで決算が終わった後に1ラウンド行われるという展開に。
こうなると最終ラウンドは、手前のラウンドで買ったカードをいかに達成して勝利点化する展開になり、ちょっと尻すぼみな印象を受けたのは正直なところです。この辺は、終了トリガのかかり方によってプレイ感は変わりそうです。
おわりに
今回は、アレクサンダー・プフィシュター氏の新作重量級ゲーム『ブラックアウト:香港』をご紹介しました。
長々とあーだコーダ書いていますが、ここ最近で遊んだ中では最高のゲーマーズゲームでした!!日本語版が出たら絶対に欲しいですし、言語依存はほぼないため出ないのであれば輸入しようかなぁと思えるゲームでした!!